2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会型農業の形成展開に関する比較研究―日本・ヨーロッパ・アジアを対象に―
Project/Area Number |
14656085
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中島 紀一 茨城大学, 農学部, 教授 (50015848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 光義 茨城大学, 農学部, 助教授 (40261747)
柏 雅之 茨城大学, 農学部, 助教授 (40204383)
小林 久 茨城大学, 農学部, 助教授 (80292481)
河野 直践 茨城大学, 人文学部, 助教授 (10323198)
伊丹 一浩 茨城大学, 農学部, 助教授 (50302592)
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Keywords | 地域社会型農業 / 地産地消 / 循環型社会 / 食と農 / 中山間地域 / 地域再生政策 / 直接支払い政策 |
Research Abstract |
現代社会の質的転換の中での農業や農村のそれ自体の変質とその役割と可能性について、調査・分析を行った。1.日本について。循環型社会のあり方と関連付けながら、農業・農村のあり方について分析した。特に、生ごみのリサイクルをめぐる都市と農村との関係に着目し、皮相な運動を批判し、事後モニタリングの実施・継続など、解決しなければならない課題を指摘した。また、近年の食の安全性や食文化に関する議論とのかかわりの中で、同じく今後の農業・農村の役割について分析を行った。そこでは原産地などの表示や農薬の問題、食と農業・自然のあるべき姿について論じた。さらに、地産地消の動きについて、地方自治体農政との結びつきに着目し、その背景と意義を明らかにした。そこでは、新基本法のインパクト、産業主義的農政推進の行き詰まり、地域社会における地産地消への機運の高まりなどが重要な役割を果たしていると指摘した。加えて、日本の中山間地域を対象とした政策に関する分析も行い、さらに、協同組合との関連の中で今後の農業・農村の可能性やあり方を探るため、会津地方などをフィールドとして現地調査を行った。2.ミャンマーについて。現地調査を行い、当地の農業・農村の実態や、その住民の生活や地域社会のありようについて資料・情報を収集した。それをもとに今後分析を進めていく。3.イギリス・フランスについて。本年度は、主として、文献やインターネットによって、地域社会と農業・農村の関連やその役割と可能性について情報を広く収集した。これをもとに、来年度、現地調査を行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中島 紀一: "立ちどまって考えてみたい「循環型社会」論議"農業と経済. 第68巻第8号. 42-49 (2002)
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[Publications] 中島 紀一: "食と農の復権をめざす流通"シリーズ環境社会学. 第5号. 97-104 (2002)
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[Publications] 中島 紀一: "情勢の激変を戦略論としてどのように受け止めるのか"東北農文協リポート. 第2号. 1-36 (2002)
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[Publications] M.Kashiwagi: "Features of Direct Payment Policy for Farming in Hilly and Mountainous Areas in Japan"Study Meeting on Land Classification in Sloping Upland Areas for Sustainable Production Systems. 10-16 (2002)
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[Publications] M.Kashiwagi: "Current Direct Payment Policy and Regeneration Problem of Agriculture in Hill and Mountainous Areas in Japan"Study Meeting on Land Classification in Sloping Upland Areas for Sustainable Production Systems. 17-23 (2002)
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[Publications] 柏 雅之: "農村地域政策の実態と諸問題"農業と経済. 第68巻第10号. 78-91 (2002)
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[Publications] 中島 紀一: "安全な食・豊かな食への展望を探る-食と農のよい関係を作りたい-"芽ばえ社. 95 (2003)