2002 Fiscal Year Annual Research Report
牛可食部におけるプリオンタンパク質の分布および中枢神経組織混入の有無
Project/Area Number |
14656097
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
関川 三男 帯広畜産大学, 畜産学部・畜産科学科, 助教授 (30120489)
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Keywords | BSE / GFAP / ELISA / 脳脊髄 / 枝肉洗浄 / クエン酸 / PrPc / 2D-PAGE |
Research Abstract |
脳脊髄組織に特異的で、かつ量的に豊富なタンパク質としては、現在、グリア線維性細胞酸性タンパク質が知られ、これは食肉となる筋組織にはほとんど存在しない。そこで、今回、このタンパク質を指標としたエライザ法による食肉中の脳脊髄組織の検出方法を検討し、この方法を用いて市販の食肉および食肉加工品における脳脊髄組織存否の実態を調査した。また、牛肉、豚肉およびその脂肪面に脳組織を塗布し、いくつかの洗浄液を用いて中枢神経組織の除去方法を検討した。その結果、豚肉、牛肉および鹿肉ともに食肉中には全く陽性反応が認められなかったが、ネック部位の表面には脳脊髄組織の存在が頻度は低いが認められた(口演、日本畜産学会、2002)。このことは枝肉の洗浄が不十分である可能性を示唆するため洗浄液の検討を行った。その結果、クエン酸をはじめとする有機酸が温湯、アルカリ水、中性洗剤等よりも高い除去効果を示した(口演、帯広畜産大学BSE対策シンポジウム、2003)。食肉に脳組織を混合し冷蔵するとグリア線維性細胞酸性タンパク質が食肉の熟成に伴い分解されることが電気泳動像から明らかとなった。そこで、効率的な新規指標タンパク質の検索を行うと二次元電気泳動で有望なスポットが数個見出された。今後はPrPcの免疫染色による高感度分析を実施するためユビキチンで得られている加熱処理による染色強度の増加等を検討する。さらに牛の腸管および筋におけるPrPcの分布を明らかにする予定である。
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