2002 Fiscal Year Annual Research Report
バベシア原虫の熱ショックタンパク質の機能解析、特に貧血発現との関連について
Project/Area Number |
14656109
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前出 吉光 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40002084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 真大 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40322846)
大和 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (80261337)
|
Keywords | Babesia gibsoni / バベシア症 / 熱ショックタンパク質 / 塩基配列 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
バベシア原虫熱ショックタンパク質の機能解析を行うために、本年度は主としてバベシア原虫熱ショックタンパク質の遺伝子クローニングとその解析を行った。 【方法】 イヌに感染するバベシア原虫であるBabesia gibsoniのmRNAからcDNAを合成し、GenBankに登録されている他の原虫の熱ショックタンパク質70(Hsp70)およびHsp90遺伝子を参考にB.gibsoniのHsp70およびHsp90の遺伝子をクローニングし、その塩基配列を解析した。 【成績】 Hsp70では、塩基配列をB.bovisおよびイヌのものと比較したところそれぞれ、85.4%、66.4%、アミノ酸配列を比較したところ94.9%、70.8%と非常に高い相同性を示した。その他の原虫や、哺乳動物と比較しても非常に高い相同性がみられた。Hsp90では、B.bovisのものと塩基配列およびアミノ酸配列を比較したところ、それぞれ80.7%、88.8%と高い相同性を示した。さらに、Theileria parvaのものと比較してもそれそれ74.3%、82.2%と高い相同性を示した。イヌのHsp90は未報告であるため、比較することはできなかった。 以上の結果から、Hsp70およびHgp90は種をこえて構造が良く保存されていることが示唆された。したがって、これらに対して免疫が作用すれば、宿主のタンパク質にも結合する自己抗体が産生される可能性が考えられた。
|
Research Products
(1 results)