2002 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類の排卵放卵周期を制御する「排卵時計」は卵巣に存在するか
Project/Area Number |
14656113
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉村 崇 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40291413)
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Keywords | ウズラ / 排卵・放卵周期 / 概日時計 / プロジェステロン / メラトニン |
Research Abstract |
研究代表者は最近ウズラの卵巣の最大卵胞に時計が存在することを明らかにし、最大卵胞に鳥類の排卵のタイミングを決定する"排卵時計"が存在するという新たなモデルを提唱した。つまり、最大卵胞に存在する排卵時計が、プロジェステロンのサージ状分泌を引き起こし、このサージがLHのサージ及び排卵を引き起こすというものである。 そこで本研究ではまず、プロジェステロンのサージ状の合成を排卵時計がどのように制御するかを明らかにすることを目的として、卵胞においてコレステロールの取り込みからプロジェステロン合成までの過程に関わる全ての遺伝子の発現解析を行ない、プロジェステロンの大量合成、放出の律速段階となっている遺伝子を明らかにした。その後このプロジェステロン合成律速遺伝子の発現制御を時計遺伝子がどのように制御しているかを明らかにすることを目的として、プロジェステロン合成律速遺伝子のプロモーターの配列を解析している。 さて、家禽の排卵・放卵のリズムは概日時計と排卵時計のカップリングによって制御されていると考えている。そこでカップリングを制御する因子の一つと考えられるメラトニンの慢性投与の放卵リズムへおよぼす影響を検討した。その結果、メラトニン慢性投与は放卵リズムへほとんど影響をあたえず、カップリングには関与していないことが示唆された。
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[Publications] 吉村 崇: "ウズラの排卵・放卵周期の制御機構"日本時間生物学会会誌. 8. 38-41 (2002)
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[Publications] Yasuo S. et al.: "Effect of melatonin administration on qPer2, qPer3, qClock gene expression in the suprachiasmatic nucleus of Japanese quail"European Journal of Neuroscience. 16. 1541-1546 (2002)