2004 Fiscal Year Annual Research Report
インヒビンレセプターの同定とシグナル伝達に関する研究
Project/Area Number |
14656117
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長谷川 喜久 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40092001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 統 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (90317058)
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Keywords | インヒビン / アクチビン / 肝細胞 / K562 / レセプター |
Research Abstract |
前年度までの研究では、インヒビンの最も代表的な標角器官である下垂体からのインヒビンレセプターの精製を試みたが、組織が極めて小さいために成功しなかった。そこで、アクチビンの標的細細胞のK562と肝臓細胞でのアクチビンの作用について、検討した。 1.コラゲナーゼ灌流法により肝細胞を分散し、プレートへ分注した翌日に各ホルモンを添加して、さらに3日間培養した。各種アクチビンは単独添加では有意なIGF-1分泌抑制が認められなかったが、GH存在下では強力なIGF-1分泌抑制が認められた。 2.XTT法を用い肝細胞に細胞増殖に対するアクチビンの作用を比較したところ、単独添加およびEGF存在下ではアクチビンAとABに強い抑制作用が認められた。しかしHGF存在下ではアクチビンBにも顕著な増殖抑制作用が認められた。以上から、生体内においても様々な因子の影響を受けることにより、アクチビンの各サブタイプのレセプターへの親和性の変化およびレセプターの発現量の変化または未知のレセプターの存在などによりアクチビンの作用が異なって発現すると考えられる。 3.K562細胞は赤芽球系の腫瘍細胞である。アクチビンはこの細胞に作用して、細胞の分化を促進し、ヘモグロビン産生を誘導することが知られている。この現象をアクチビン・インヒビンアッセイ法に開発し、我々の精製した3種類のアクチビンを用いてヘモグロビン産生活性を確認した。さらに、インヒビンの単独、あるはアクチビンの併用添加により、K562細胞にインヒビンが作用することを明らかにした。この細胞を大量培養することにより、インヒビンレセプター単離とアクチビンとのクロストークを明らかにする展望が開けた。 本研究助成金により、インヒビンとアクチビンが作用する培養細胞と機能を発見し、今後の研究の大きな発展のきっかけ得ることが出来た。
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Research Products
(6 results)