2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロダイセクション法を用いた糸球体内のサイトカインの動態に関する研究
Project/Area Number |
14656125
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
代田 欣二 麻布大学, 生物科学総合研究所, 教授 (70147974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (80271360)
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Keywords | 腎臓 / 糸球体 / サイトカイン / マイクロダイセクション / VEGF / flk-1 / 抗Thy-1腎炎 |
Research Abstract |
実験モデルに見られる腎糸球体病変における様々なサイトカインの関与を検討するために、レーザーマイクロダイセクション(LMD)法が研究ツールとして有用であるかどうか、糸球体局所における遺伝子発現について検討した。 まず遺伝子の定量を行う際、LMD法で回収したサンプルから再現性のあるデータが得られるかを確認するため、正常ラット2個体の糸球体200個から得たRNAを用いて、通常のRT-PCR法によりGAPDH、血管内皮増殖因子(VEGF)とその特異的レセプターflk-1について検討した。その結果、2個体のサンプルともに電気泳動にて検索遺伝子の特異的バンドが確認された。これにより、LMD法で回収した組織から抽出したRNAは、遺伝子発現の検討に用いることが可能で、再現性があるデータを得ることができることを確認した。次に、複数の遺伝子発現を定量する場合、安定したデータを得るために必要な糸球体数について検討した。LMD法により正常ラット糸球体を10〜100個回収し、GAPDHとVEGFについてリアルタイムPCR法で検討した。その結果、10個回収したとき、遺伝子の増幅は確認されたものの、一部のサンプルは増幅せず、同一サンプル間にばらつきがみられたが、100個回収した場合は、安定したデータを得ることができたので、100個以上回収して定量実験を行うことにした。さらに、ラットの抗Thy-1腎炎モデルに見られる糸球体病変の寛解とVEGFの関与を検討するため、本モデルの糸球体200個を回収し、遺伝子を定量した。抗体投与3日後のメサンギウム崩壊糸球体において、VEGF mRNA発現量は対照群に比べ少なく、投与後7日の実験群のうち、病変が高度で細胞増殖が著しい個体の糸球体において、その発現量は多いという傾向が認められた。 現在、個体数を増やしてさらに詳細に検討するとともに、本モデルの他に抗癌剤誘発糸球体障害モデルにおけるIL-1,IL-6などその他のサイトカインの遺伝子発現についても検討している。
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Research Products
(1 results)