2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質のポストゴルジ/ERレトリーバル小胞輸送における新規分子機構の構築
Project/Area Number |
14656134
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲葉 睦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00183179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 雄一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40113740)
滝口 満喜 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (70261336)
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Keywords | 小胞輸送 / 膜タンパク質 / グライコフォリン / ゴルジ装置 / 小胞体 / リン酸化 / 膜移行 / 牛 |
Research Abstract |
本研究の目的は、牛グライコフォリンC(GP-C)の発現、遺伝子型-表現型連関について従来得た以下の仮説を検証し、S85によるポストゴルジ膜移行、あるいはERレトリーバル制御の分子機構を解明することを目的とする。 <仮説1>S85のリン酸化等の翻訳後修飾がポストゴルジ膜移行を決定づける未知のシグナルとして機能している。あるいは、<仮説2>S85を含む周辺配列が未知の膜移行認識シグナルとなっている。仮説1との相乗作用もあり得る。 1.仮説1を検証するために、GST-fused GP-C(C末端細胞質ドメイン)を調製し、これを基質とするProtein kinaseを解析した。その結果、Casein kinase I (CKI)がGP-CのC-末端細胞質ドメインをリン酸化することが判明した。CKIは、遺伝子多型であるS85、N85のGP-Cの両者をリン酸化することから、S85以外のSer/Thr残基もリン酸化されることが推定された。 2.COS細胞、K562細胞におけるGP-C発現系を構築し、それらのリン酸化動態と細胞膜への移行を解析した。これらの細胞ではGP-Cのリン酸化が観察されたが、少なくともCKI阻害剤存在下でのリン酸化の程度は対照と、あるいはGP-CS85とN85とで相違なく、また細胞膜移行の程度にも顕著な差は認められなかった。 3.翻訳後修飾としてO-GlcNAc付加を推定し、その検証を行ったが、O-GlcNAc存在は検出されなかった。 4.仮説2を検証するためにS85を中心にC末端細胞質ドメインのアミノ酸残基を欠く変異体を作製し、培養細胞に導入してその膜移行を解析したところ、むしろにC末端領域を欠く変異体の膜移行が低下することが判明した。これら変異体は、ERに留まり分解除去を受けた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tamahara, S.ら6名: "Non-essential roles of cysteine residues in functional expression and redox regulatory pathways for canine glutamate/aspartate transporter based on mutagenic analysis."Biochemical Journal. 367. 107-111 (2002)
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[Publications] Thongsong, B.ら7名: "Effects of insulin-like growth factor-I on maternal and fetal plasma amino acid levels in pregnant rats."Journal of Veterinary Medical Sciences. 64. 859-861 (2002)
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[Publications] Saito, K.ら6名: "In situ observation of mobility and anchoring of PKCβ in plasma membrane."FEBS Letter. 541. 126-131 (2003)