2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNAアレイを用いた新規CO2輸送体遺伝子の単離と炭酸固定増強への利用
Project/Area Number |
14656136
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福澤 秀哉 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (30183924)
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Keywords | 緑藻クラシドモナス / cDNAアレイ / 無機炭素濃縮機構 / ABCトランスポーター / CO_2 / 二酸化炭素 / 光合成 / 葉緑体 |
Research Abstract |
緑藻クラミドモナスにおける無機炭素濃縮機構(CCM)の中心的役割を果たすCO_2輸送体あるいは重炭酸イオン輸送体の遺伝子を、CO_2応答性遺伝子の中から見出すことを最終目的とする。 (1)約5万個のESTクローンの配列データを分類して、独立なクローン約1万個からなるcDNAマクロアレイを150セット作製した。 (2)野生株とccm1変異株を低CO_2条件で培養後、それぞれからmRNAサンプルを調整し、cDNAを合成した。両者をcDNAアレイに対してハイブリダイゼーションを行ない、2サンプルの間で発現レベルの差が検出できるクローンを選抜した。得られたクローンについては、3'末端の配列を決定し重複があるクローンを見出し、CO_2シグナル伝達因子CCM1を介して調節をうけるCO_2応答性遺伝子を51種類単離した。 (3)51種類の遺伝子の構造を配列から予測したところ、膜タンパク質をコードする可能性のあるクローンを5種類選抜し、ペプチド抗体を作製した。 次年度は、1)葉緑体胞膜の全タンパク質について2次元電気泳動を行い、抗体との反応性を評価することによって輸送体候補遺伝子産物の細胞内局在性を明らかにする。2)重炭酸輸送体であるかどうかについては重炭酸イオンとの結合特性を生化学的に証明する。さらに、候補の遺伝子の発現を攪乱することによってCO_2輸送能が変化するかどうか、遺伝子導入によって細胞の炭酸固定能の増強が可能となるかどうかを検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Miura, T.Kohinata, S.Yoshioka, K.Ohyama, H.Fukuzawa: "Regulation of a carbon concentrating mechanism through CCM1 in Chlamydomonas reinhardtii"Functional Plant Biology. 29 2/3. 211-219 (2002)