2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい抗ストレス因子フラノン系物質の高次ホメオスタシス機能に及ぼす影響
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14657019
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
粟生 修司 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (40150908)
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Keywords | フラノン系物質 / オープンフィールド試験 / 高架十字迷路試験 / 嗅覚応答 / カテゴリー認知課題 / オークラクトン |
Research Abstract |
平成16年度は食品に含まれるフラノン物質である2.5-dimethyl-4-hydroxy-3(2H)-franone(3(2H)-franone)の作用を調べた。また関連物質のオークラクトンの生理作用を調べた。 1)3(2H)-franoneのラット行動に及ぼす影響:3(2H)-furanoneをtriethylcitrateに溶解し、3%溶液として用いた。3%溶液0.2mlを暴露ケージに散布し、60分暴露した後、オープンフォールド試験における活動性および探索行動、高架プラス迷路試験における不安関連行動、強制水泳試験における絶望行動、受動的回避学習に及ぼす影響を調べた。その結果、3(2H)-furanoneは移動速度を促進し、ニオイ近傍における活動性を促進した。また不安行動を軽減する傾向を示した。ストレス対処行動やうつ反応、受動的回避学習には影響を及ぼさなかった。また、オークラクトンが鎮痛作用を示すことをホットプレート試験で見出した。 2)3(2H)-furanoneのニューロン応答:フラノンの標的細胞を同定し、その作用機序を明らかにするため、視床下部および嗅球の神経活動を細胞外記録し、3(2H)-furanoneに対する興奮性嗅覚応答を確認した。 3)3(2H)-furanoneのサル視覚カテゴリー認知行動に及ぼす影響:フラノンがさらに高次の脳機能に影響を及ぼすかどうか明かにするため、3(2H)-furanone(5mg/kg)をアカゲザルに投与し、視覚カテゴリー認知課題に及ぼす影響を調べた。その結果、正答率が生理食塩水投与と比較して低下した。
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Research Products
(11 results)