2003 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌・卵巣癌の発生・悪性化における新規アダプター分子PB36の機能解析
Project/Area Number |
14657038
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
烏山 一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60195013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江石 義信 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70151959)
反町 典子 国立国際医療センター研究所, 消化器疾患研究部, 室長 (30217468)
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Keywords | TPP36 / TPP32 / チロシンリン酸化 / 乳癌 / 卵巣癌 / 悪性化 / ErbB-2 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、プロB細胞刺激によってチロシンリン酸化される分子量36kDの分子としてタンパク質精製、遺伝子クローニングした新規分子TPP36(旧仮称PB36)に関して、作製した抗体を用いて生化学的解析をおこない、(1)TPP36がほぼすべての組織で発現していること、(2)TPP36には分子量32kDのスプライシングバリアント(TPP32と命名)が存在すること、(3)TPP36/32がAblによって選択的にリン酸化されることを明らかにした。他の研究者によって、TPP36遺伝子のヒトホモローグH41遺伝子の発現が悪性の乳癌や卵巣癌において非常に亢進していることが報告されたことから、H41/TPP36の発現亢進と癌の悪性化との関連に注目し、因果関係を解析した。Ohらは癌遺伝子ErbB-2を過剰発現させた乳癌細胞株と元の細胞株での遺伝子発現パターンをmRNAレベルで解析してH41が前者で過剰発現していると報告している。しかし、彼らと同じ乳癌細胞株を用いて、ErbB-2を過剰発現させた場合とさせない場合におけるH41/TPP36の発現量をmRNAならびにタンパク質レベルで比較検討した結果、有意な差は認められなかった。また、卵巣癌細胞株を用いた解析でもErbB-2を過剰発現にともなうH41/TPP36の有意な発現亢進は認められなかった。OhらはErbB-2を過剰発現させた細胞株を得るために、繰り返し遺伝子導入ならびに細胞選択をおこなっており、その過程でH41/TPP36高発現の細胞株が得られた可能性が高い。H41/TPP36高発現が細胞の生存・増殖に有利に作用した可能性も否定できない。昨年度構築したTPP36ターゲッティングベクターを用いてTPP36ノックアウトマウスの樹立に成功し、現在、TPP36の生体内での機能を解析中である。
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[Publications] Tsuchiya, K., Kawano, Y., Kojima, T., Nagata, K., Takao, T., Okada, M., Shinohara, H., Maki, K., Toyama-Sorimachi, N., Miyasaka, N., Watanabe, M., Karasuyama, H.: "Molecular cloning and characterization of TPP36 and its isoform TPP32, novel substrates of Abl tyrosine kinase"FEBS lett.. 537. 203-209 (2003)
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[Publications] Toyama-Sorimachi, N., Tsujimura, Y., Maruya, M., Onoda, A., Kubota, T., Koyasu, S., Inaba, K., Karasuyama, H.: "Ly49Q, a member of Ly49 family that is selectively expressed on myelold lineage cells and involved in regulation of cytoskeletal architecture."Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 101. 1016-1021 (2004)