2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14657042
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
本間 好 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60192324)
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Keywords | 核酸 / 受容体 / 細胞内情報伝達 / カラムクロマトグラフィー / CK2 / ヌクレオリン / マススペクトロメトリー / TLR9 |
Research Abstract |
細胞外からもたらされる核酸はどのように細胞表面で受容され、そして細胞内部へ伝達されるのだろうか。細胞にとって核酸を受容することは、「代謝源の摂取」以外に特別な生物意義があるのだろうか。我々は、形質膜画分より特異的にDNA断片に結合するタンパク質複合体を精製し、それらがヌクレオリン、カゼインキナーゼ2(CK2)αサブユニット、セリンプロテアーゼを含むことを明らかにした。それを踏まえ、本研究では次の二つを目的とする。一つは、TLR9とヌクレオリン・CK2タンパク質複合体の関連性を明らかにすること、もう一つは、ヌクレオリン・CK2タンパク質複合体が細胞全般に普遍的に存在し、核酸受容体として機能しうるものなのかを明確にすることである。これまでに次のような結果を得ている。(1)ヌクレオリン・CK2タンパク質複合体は、上皮性細胞や線維芽細胞など非免疫系の培養細胞の形質膜画分にも存在した。(2)免疫細胞の形質膜画から調製した抗ヌクレオリン抗体免疫沈降物をウエスタン解析およびマス解析した結果、この複合体にはTLR9関連タンパク質が含まれなかった。(3)標識した各種合成DNAシーケンスを用いて、ヌクレオリンと核酸との結合定数を求めた結果、ヌクレオリンはCpGモチーフ含有DNAと最も強く結合するが、その他のDNAシーケンスやRNAとも結合した。以上の結果より、ヌクレオリン・CK2タンパク質複合体が、免疫細胞ばかりでなく非免疫細胞の形質膜上に存在し、DNAおよびRNAの受容体として機能する可能性が示唆された。また、TLR9とは異なる情報伝達系を持つことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Oyama N, et al.: "Different properties of three isoforms (α, β, and γ) of transcription factor AP-2 in the expression of human keratiocyte genes"Arch Dermatol Res. 294. 273-280 (2002)
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[Publications] Sugino T, et al.: "An invasion-independent pathway of bolld-borne metastasis"Am J Pathol. 160. 1973-1980 (2002)
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[Publications] Hommma MK, et al.: "Association and regulation of casein kinase 2 activity by adenomatous polyposis coli protein"Proc Natl Acad Sci USA. 99. 5959-5964 (2002)
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[Publications] Nakano T, et al.: "Enhanced activity of variant phosphsolipase C-δ1 protein (R257H) detected in patients with coronary artery spasm"Circulation. 105. 2024-2029 (2002)
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[Publications] Kabuyama Y, et al.: "Early signaling events induced by 280-nm UV irradiation"Eur J Biochem. 269. 664-670 (2002)
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[Publications] Kobayashi N, et al.: "Suppression of corneal neovascularization by culture supernatant of human amniotic membrane"Cornea. 21. 62-67 (2002)