2004 Fiscal Year Annual Research Report
久山町研究におけるレビー小体型痴呆とアルツハイマー病の臨床病理学的検討
Project/Area Number |
14657047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 諭 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (90294917)
飯田 三雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00127961)
清原 裕 九州大学, 大学病院, 講師 (80161602)
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Keywords | 認知症 / レビー小体型痴呆 / アルツハイマー病 / レビー小体 / 有病率 / 加齢 / 剖検 |
Research Abstract |
痴呆の原因として脳血管性痴呆(VD)とアルツハイマー型痴呆(AD)が多いとされてきていたが、連続102剖検例の検討でレビー小体型痴呆(DLB)の頻度が高く、かつ加齢とアルツハイマー病の合併がDLBの病期を進行させる可能性を指摘した(Acta Neuropathologica 106:374-382,2003)。そこで各痴呆疾患の頻度をより正確に評価する目的で、1986年から2002年の17年間に死亡し、九州大学で剖検を施行した痴呆を有する連続195例(剖検率71.5%)の全てについて神経病理学的に詳細に検討した。本年度は臨床診断と病理所見の不一致例を抽出し、臨床病理検討会を定期的に開催して発症時および死亡時の痴呆の病型診断を決定するように努めた。その結果、死亡時の病理学的変化は、VDのみ53例(27%)、ADのみ50例(26%)、DLBのみ9例(5%)、DLB+AD34例(17%)、AD+VD15例(8%)、DLB+VD12例(6%)、DLB+AD+VD6例(3%)、SD-NFTのみ8例(4%)、DLB+VD+SD-NFT1例、VD+SD-NFT1例、その他8例(4%)であった。混合型の症例も含めADの所見を有する痴呆は105例(54%)と最も多く、次いでVD88例(45%)、DLB62例(32%)であり、特にDLBの多くはADを合併していた。痴呆発症時の病型別頻度も、死亡時と同様で混合型も含めAD、VD、DLBの順に多かった。またDLBについて脳幹型、辺縁型、皮質型に分類して、臨床症状を検討した結果、症状の変動や幻視は皮質型に最も多く認められたが、その頻度はそれぞれ17%と13%と低く、パーキンソニズムの出現も25%であり、より感度の高いDLBの臨床基準の策定が必要である。
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Research Products
(6 results)