2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療・細胞移植に対する病理学的な評価システムの確立
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14657051
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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Keywords | 細胞移植 / 再生医療 / 形質転換 / 間葉系細胞 / 骨髄間質 / 遺伝子導入 / 寿命延長 / 生体内マイクロデバイス |
Research Abstract |
細胞治療または細胞移植とは、目的の細胞の前駆細胞を増殖、分化させることによって、細胞自体を生体内マイクロデバイスとして利用する新たな治療戦略である。この新たな戦略を現実のものとするために、いくつかのステップが必要である。細胞のex vivoにおける培養技術とそれによる細胞数の確保は、第一に要求される技術である。言い換えれば細胞の増殖を維持することは、移植する細胞の数を維持する点で最も重要なことのひとつである。その際に、細胞の寿命を延ばすために培養過程でテロメラーゼ導入を含めたさまざまな手技を行った。樹立後150継代以上にわたり培養した過程におけて、細胞の形質転換は認められなかった。細胞をNOG(NOD/SCID/IL-2受容体γノックアウト)マウスに注入し、腫瘍形成を検討した。細胞移植後3ヶ月間において、腫瘍形成は生じなかった。腫瘍化へのステップを遺伝子レベルで獲得していることを明らかにすることが不可能である現在、細胞移植・再生医療を念頭においた場合の評価システムの構築を推進している。さらに、本研究では細胞治療における問題点ならびに副作用についての検討課題を明らかにし、その検討課題に対し、病理細織学的なアプローチを可能とするシステムの開発を進めている。また、細胞は、昨年までは骨髄間質細胞のみを使用し、今年度からは骨髄間質細胞に加え、月経血由来間葉系細胞、臍帯血由来間葉系細胞を用いた検討を開始している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Imabayashi, H: "Redifferentiation of dedifferentiated chondrocytes and chondrogenesis of human bone marrow stromal cells via chondrosphere formation with expression profiling by large-scale cDNA analysis."Experimental Cell Research. 288. 35-50 (2003)
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[Publications] Matsushita, K.: "Islet cell hyperplasia in transgenic mice overexpressing EAT/mcl-1, a bcl-2 related gene."Mol Cell Endocr.. 203. 105-116 (2003)
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[Publications] Sharov, A.A.: "Transcriptome analysis of mouse stem cells and early embryos"PLoS Biology. 1. 410-419 (2003)
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[Publications] Gojo, S: "In vivo Cardiovasculogenesis by Direct Injection of Isolated Adult Mesenchymal Stem Cells."Experimental Cell Research. 288. 51-59 (2003)
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[Publications] Elizabeth H.Allan: "Differentiation potential of a Mouse bone marrow stromal cell line."Journal of cellular biochemistry. 90. 158-169 (2003)