2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657062
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
神谷 晴夫 弘前大学, 医学部, 教授 (70002079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 加代子 弘前大学, 医学部, 助手 (80333475)
佐藤 宏 弘前大学, 医学部, 講師 (90211945)
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Keywords | Echinococcus multilocularis / 条虫幹細胞 / 組織培養 / 石灰小体 / 原頭節 / 幼若化 / 成虫 / サイトカイン |
Research Abstract |
平成14年度の研究経過と得られた知見は以下のとおりである。 1.多包虫細胞の培養系の確立:多包虫感染スナネズミより包虫組織を採取し、コラゲナーゼで消化し、得られた細胞をスフェロイド・プレートあるいはコラーゲンスポンジ・シャーレを用い、10〜20%FCS加MEM培地で培養し、細胞から包虫への発育培養が可能となった。 2.石灰顆粒形成細胞の特定:1)による培養系を用いて、石灰小体の前駆体と考えられる石灰顆粒を形成する細胞の出現が明らかになった。 3.原頭節ならびに亜成虫の幼若化の検討:原頭節をイヌに感染させ3、13日目に採取した亜成虫をディフュージョン・チャンバーにいれスナネズミ、マウスの腹腔内に移植しその後の発育を追っている。その結果、既に成虫形への発育を開始した亜成虫も、なお幼弱化、すなわち包虫化への発育能を有していることが明らかになった。 4.培養虫体の幼若化の可能性の検討:原頭節、イヌよりの亜成虫を培養し虫体の膨化を指標に検討し、合わせて膨化虫体をスナネズミ、マウスの腹腔内に移植しその後の発育動態を追っている。 5.虫体内の石灰小体の動態:培養原頭節の膨化と石灰小体数の関係を追ったところ、膨化に伴い、石灰小体数が減少し、培養上清中のカルシュウム濃度が上昇する事が明らかになった。 6.血中カルシュウム・レベルと虫体発育:感染マウスよりの包虫重量とその血中カルシュウム・レベルとの間には相関関係があり、虫体の発育は宿主カルシュウム代謝に何らかの影響を与えている事が考えられた。 7.多包虫細胞ならびに原頭節をIFN-γ、IL-2,IL-5と培養し、宿主液性因子の発育への影響を解析している。 以上のように、本研究課題に沿って、多方面より総合的に検討され、細胞レベルへの解析が可能になりつつある。
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Research Products
(1 results)