2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナイアシン欠乏状態がパーキンソン病を予防する可能性を実証する疫学研究
Project/Area Number |
14657090
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
福島 哲仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90208942)
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Keywords | パーキンソン病 / 疫学研究 / ナイアシン / 栄養調査 |
Research Abstract |
中国予防医学科学院(現Chinese CDC)の共同研究者と、疫学調査実施に向けて、現在の中国の栄養摂取状況について情報交換を行った。都市部と農村部の格差は依然大きいものの、農村部においても食生活の変化が著しく、個人差が拡大したため現在のトウモロコシなど食品摂取状況を平均値として得ることについては、その方法をさらに検討する必要性が確認された。 一方、Chinese CDCが保管する、中国全土の栄養学的調査(1992年National Nutrition Survey)のデータを入手し、これまでに手元に入手した資料と合わせて分析を行った結果、トウモロコシ生産量とパーキンソン病有病率は負の相関(相関係数:-0.356)トウモロコシ生産量とナイアシン摂取量とは負の相関(相関係数:-0.463)、ナイアシン摂取量とセレニウム摂取量とは正の相関(相関係数:0.340)が認められた。克山病の原因としてセレン欠乏が問題となったトウモロコシ生産地域において、同時にナイアシン低摂取状態が生じ、それが結果的にパーキンソン病発症を抑えていることが示唆された。 今後これらの結果を踏まえ、日本におけるretrospective cohort study実施の可能性と、中国におけるecological study計画の具体的な作成、さらに中国よりパーキンソン病の診断基準の統一化が進みライフスタイルも比較的安定している韓国での調査の可能性について検討して行きたいと考えている。
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Research Products
(1 results)