2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域単位の健康余命算定システムとその活用に関する研究
Project/Area Number |
14657093
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小川 正行 群馬大学, 教育学部, 教授 (80008565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 繁伸 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (90134527)
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Keywords | 健康余命 / 健康日本21 / Disease Free Life Expectancy / Quality Of Life |
Research Abstract |
「健康日本21」政策において,推奨されている健康指標のひとつに「健康余命」がある。これは長寿社会の生活の質(Quality Of Life)を考慮したものであり,単なる生命の長さの視点から「健康(健常)で過ごせる余命」(Disease Free Life Expectancy)を基本理念に提唱したものである。しかし健康余命を推賞しているものの,その算出方法,活用・評価方法については具体的に示されていない。そこで,本研究は地域レベルの健康づくり活動を効果的に達成できるように,効果判定に使用できる県内の地域単位レベルでの健康余命を算出システムを構築することを目的した。 健康余命の算出方法は,WHOの推奨する障害調整平均余命算出法、Sullivan法、Katz法、瀬上清貴および切明義孝の介護保険を利用する算定法の4種類に大別された。そのうち,本報の目的と現状に即したものとしては介護保健統計を利用する方法が最適と判断された。ただ,データ入手に際して介護保険に関する統計が市町村により差があること,特にデータが男女別に入力されていない事実が判明し,その調整解消が,本研究の第1段階の障壁となった。今回の試算では平成12年国勢調査報告をベースに,平成12年群馬県の70市町村別,二次医療圏別,および県全体の健康余命を算出し,その結果を県の保健予防課を経由して県内の70市町村に報告し,利用説明と現場からの意見聴取を行った。 今後の検討課題としては,データのやり取りシステム構築と,単純計算による平成12年70市町村別65歳健康余命の最高は男16.9年、女20.1年であり、最低は男13.7年、女16.7年であったが,この差は生活環境の違い以上に,人口規模の違い(65歳以上人口規模:7,547の1人の人口増減影響:約9時間に対して,人口規模:92人の1人の増減影響:24日)が影響していると考えられた。すなわち,単純計算による健康余命を活用・評価する際には何らかの人口補正をする必要のあることが示唆され,その補正方法を検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 小川正行, 青木繁伸, 小川勇之助, 阿部勝延, 廣瀬浄美: "群馬県の二次医療圏における健康余命に関する研究"群馬大学教育学部紀要 芸術・技術・体育・生活科学編. 38. 119-124 (2003)