2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域単位の健康余命算定システムとその活用に関する研究
Project/Area Number |
14657093
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小川 正行 群馬大学, 教育学部, 教授 (80008565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 繁伸 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (90134527)
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Keywords | 健康余命 / 健康日本21 / Disease Free Life Expectancy / Quality Of Life |
Research Abstract |
地域における「健康日本21の健康戦略」の有力な評価指標獲得を目的とした本研究は、群馬県の2000年確定人口を利用した70市町村別の0,20,40,65,75(女は80プラス)歳の各年齢別平均余命と,1996〜2000年の死亡数と2000年度介護保険者数・要介護支援認定者数を使用した65,75(女は80プラス)歳の健康余命の試算について、データ入手方法の段階から利用方法ならびに健康余命改善のための効果的政策戦略探求まで段階的に実施してきた。 平成14,15年度は、健康余命算出とその解釈留意事項を中心に検討してきた。平成16年度は群馬県70市町村の0歳平均余命(平均寿命)試算値の統計量の男77.42±1.62年(Mean±SD),女83.68±1.23年と対応年の厚生労働省による2000年完全生命表(第19回生命表)の平均寿命値の男77.72年,女84.60年との比較で,女のみ群馬県が有意に低値(母平均の検定)、同様な比較を20歳,40歳65歳にも行ない、いずれの年代においても女子の有意に低値な所見が対応年の第19回生命表に対して認めた。さらに、同年齢における男女差で群馬県が全国平均に比べて0.8年以上少なく、女子の生命力に劣勢のあることが示唆された。健康余命に関しても同様な傾向が認められた。かかる知見から、女子の生涯にわたる体力作りや健康造りに寄与する健康政策の探求が群馬県の地域単位の研究課題として必須になることを窺わせているように思われ、その検討解明を優先実施した。 検討の結果、地域共同研究として併行実施してきた中学生期の運動クラブ活動参加と体格・体力の発育発達との関連の研究にプロジェクトをリンクさせて相互利益を得られるように研究計画に修正を加え、有益な知見追加を得た。具体的には縦断的データ解析(二元分類の分散解析における混合計画でのASBタイプの分散分析手法)により、男子では認められない運動能力面の女子での発育発達が、運動クラブでの活動機会の活用で有用なものとなるとの示唆である。それは、本報の健康余命を検討中の年齢層での中学生期の運動活動が全国に比して低迷していた知見と合わせると対策究明の糸口ともいえる所見である。今後の課題として、得られた知見をさらに解明をつづけることはもちろんであるが、本研究課題のもう一方の主題でもある開発中の県広報活動のインターネット情報サービスシステムに活用しながら有効で有益な健康づくり活動に寄与できればと考えている。
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Research Products
(1 results)