2004 Fiscal Year Annual Research Report
法医学試科からの微量細菌毒素分析法の開発に関する研究
Project/Area Number |
14657112
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
屋敷 幹雄 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40033998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈女良 昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30284186)
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Keywords | 固相マイクロ抽出 / 細菌毒素 / 誘導体化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、尿や血液、胃内容物などの法医学試料から簡便で再現性の高い細菌由来毒素分析法の開発である。本年度は、入手可能な毒素の調査を継続して行った。また、不揮発性化合物を固相マイクロ抽出(SPME) -GC/MSで分析するための誘導体化法について検討した。 1)入手可能な毒素の調査 細菌由来毒素の入手について調査した結果、規制が少なく比較的入手が容易であったが、入手可能な毒素の種類と量が少なく、実際の中毒症例の分析に応用するには限界がある。 2)従来法との比較 従来の溶剤抽出や固相抽出に比べて多量の有機溶剤を使用せずに簡便に抽出可能であり、環境に配慮した分析法であることが示された。 3)試料溶液中での誘導体化法の検討 不揮発性化合物を抽出し、操作を簡略化するために誘導体化を検討した。 (1)誘導体化法の検討 SPMEファイバー上と試料溶液中での誘導体化を検討したが、誘導体化剤の汚染や誘導体の揮発性を考慮すると試料溶液中での誘導体化が有効であった。 (2)アミノ基の誘導体化 アミノ基の誘導体化にはアシル化やシリル化があるが、水分によって誘導体化が妨害される。塩化ギ酸アルキルはアルカリ性下で容易にアミノ基をホルミル化することが可能であった。また、誘導体は加温することでSPMEでの抽出が可能であり、簡便な分析法開発に応用できることが示された。 (3)水酸基の誘導体化 種々の誘導体化を検討したが、現在のところ最適な条件は得られていない。
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