2002 Fiscal Year Annual Research Report
組織再生因子を用いた全身性自己免疫疾患に対する遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
14657120
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
垣下 榮三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80068460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 篤 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90309451)
岩崎 剛 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10151721)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
|
Keywords | SLE / HGF / GVHP / 遺伝子治療 / HVJリポゾーム |
Research Abstract |
1)BDF1マウスにDBA/2マウス脾細胞を移入し、慢性GVHDを誘導するとTh2免疫反応が亢進し自己抗体産生の亢進、ループス腎炎、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、間質性肺炎が出現する。 2)この慢性GVHDモデルにヒトHGF遺伝子をHVJ-リポゾーム法にて投与すると蛋白尿の出現が軽減された。組織学的解析にてループス腎炎、PBC病変、間質性肺炎像が改善されていた。 3)慢性GVHDはTh2免疫反応亢進によりB細胞が活性化される。HGF遺伝子導入により慢性GVHDによる脾臓B細胞数の増加は抑制され、血中IgG、IgE抗体の増加も抑制されることが明らかになった。 4)脾臓、肝臓、腎臓、肺におけるIFN-γ、IL-4mRNAの発現をRT-PCR法にて解析すると、非治療群では慢性GVHDによりIFN-γの発現が抑制されIL-4の発現が増強されていたが、HGF治療群ではIFN-γの発現が増強されIL-4の発現が抑制されていた。 5)慢性GVHD)ではドナーT細胞のホストB細胞に対するCTL活性認められず、ドナーヘルパーT細胞によるホストB細胞の活性化が認められる。HGF治療群ではドナーT細胞のホストB細胞に対するCTL活性が亢進しており、ドナーT細胞のCTLによりホストB細胞の増殖・分化が制御されていることが明らかになった。 以上、HGF遺伝子治療によりTh2免疫反応の亢進が制御され自己免疫疾患が制御できることが明らかになった。
|