2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性C型肝炎の病態を規定する遺伝因子のゲノムワイド解析
Project/Area Number |
14657137
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
河辺 朋信 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00256364)
|
Keywords | CHC / 遺伝子多型 / SNP |
Research Abstract |
§HuSNPチップを用いたCHCの発症進展を規定する遺伝子多型のゲノムワイドな解析 学内倫理委員会に研究計画を提出し許可を得た後に、充分なインフオームドコンセントを行い了解が得られたCHC活動症例、ASC症例、健常人各30例から得たDNAを用いて検討した。HuSNPチップにはヒトゲノムワイドに認められる約1500箇所のSNPsを含むオリゴヌクレオチドがブロットされている。患者より採取したDNAを用いチップ付属プライマーでPCRを行い50〜300bp程度の増幅産物を得て増幅産物からビオチン標識プラィマーを用いビオチン標識プローブ(1本鎖DNA)を作成しチップ上でハイブリダイズし染色、専用スキャナーでスキャンし各SNPのハイブリダイズ蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度を検量線上で対照しalleleの存在頻度を算出、患者群・健常人群間でのalleleの出現頻度差をカイ2乗検定で検定し、疾患特異的な多型が認められる遺伝子を同定を試みたところ、CHCと健常人では全染色体にわたり100個以上(各染色体で5から15個)の遺伝子型が異なるSNPが存在していることが明らかとなった。またCHC活動例とASC症例でも全染色体にわたり30個以上の遺伝子型が異なるSNPが存在していることが明らかとなった。そこで既に報告したCHC活動例とASC症例で遺伝子多型の発現頻度が有意に異なるIL-10の多型が異なるCHC活動例群と同じ遺伝子多型を有するASC症例を比較するとSNPの分布が異なっており、それらは全染色体にまたがっていた。 以上よりCHCの病態形成には異なる染色体に複数存在する遺伝子多型が総合的に関与することが示唆された。しかしこれらの遺伝子について病態により表現頻度が異なるかさらに詳しく検討したが、はっきりとした傾向は認めなかった。
|