2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビームCT肺気腫呼吸動画像による気道及び肺実質の病的動態の解析と臨床応用
Project/Area Number |
14657141
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒澤 一 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (60333788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白土 邦男 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004761)
飛田 渉 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10142944)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Keywords | 肺気腫 / 気流制限 / 気道虚脱 / 動画 / 電子ビームCT / 呼吸運動 / コンピューター解析 / イマトロン |
Research Abstract |
肺気腫重症患者7名、健常者3名において承諾を得て、仙台徳州会病院にて電子ビームCTを撮影した。撮影はあらかじめ決定しておいた条件で、気道系および肺実質系の両者の動態が最もよく判定できるような位置決めの後、安静換気または自発過換気の状態で10秒間行った。撮影イメージはDICOMファイルとしてパーソナルコンピューターに取り込み、画像処理ソフトOSIRISにて解析した。 健常人に比べ、重症肺気腫患者の肺の動態は著しく異なるものであった。各、肺内構成因子のなかで、気道径の時間的推移について検討し、解析結果を得た。患者肺では、呼吸に同期した変化を明らかに示し、気道径は呼気時に一致して著しく虚脱し、あたかも気流制限を肉眼で見ているかのごとくであった。 この結果の一部は、2003年3月に開かれた環太平洋COPD国際会議で発表した。また、本結果の抄録は2003年5月に開かれる米国胸部疾患学会(ATS)国際会議の演題に採用され、米国にて発表予定となっている。また、現在、発表内容を投稿準備中である。 肺実質の動態やCTナンバーの変化の解析を平成15年度に予定しているが、この解析のためには新しいソフトウェアが必要であったため、平成14年度中に業者に依頼して作成した。まだ、機能的に実用となるレベルではなく、修正が必要なために、現在業者との間でデバッグ作業、および機能追加など実用化に向けた作業中となっている。平成15年度はこのソフトを実用として、気道の病的動態に加えて肺実質の病的動態についても解析予定である。 画像のCD-ROM化は一部試験的に行い、カナダの著名な研究者であるMilic-Emili博士らにその価値が認められ、欧州の研究者らが集まる研究会において供覧される予定となった。研究や教育などの目的で、他に日本の何人かの研究者からも希望が寄せられ、さらにCR-ROMの内容を充実させるように努力したい。
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