2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657147
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 孝次 順天堂大学, 医学部, 助手 (90338369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 靖弘 順天堂大学, 医学部, 講師 (90206649)
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Keywords | 特発性間質性肺炎 / Hermansky-Pudlak症候群 / HPS1 / HPS2(AP3B1) |
Research Abstract |
特発性間質性肺炎・肺線維症の発症にHPS遺伝子の変異・多型が関与するとの仮説を立て検討を行った。昨年までの研究で、HPSIEx15にあるアミノ酸置換を伴うSNP(C->G)のアレル頻度は健常者群と患者群で有意差は認められなかった。またHPS1の機能は不明であるが、細胞内蛋白輸送に関与しているHPS2(AP3B1)についてEx6-Ex27まで遺伝子変異・多型について検討した。いくつかのSNPは存在したが、有意差は認められなかった。また肺サーファクタント遺伝子異常により間質性肺炎が発症するとの報告からHPS1蛋白、HPS2蛋白の異常により肺サーファクタント分泌異常が起こるとの仮説を立て、これらの蛋白の細胞内局在について検討した。蛍光顕微鏡下ではHPS2とサーファクタント蛋白(SP-B)の局在は似ていた。今年度はHPS1はEx15以外のExについて、HPS2については残りのExについて遺伝子変異・多型の検討を行った。また蛋白の細胞内局在についてはconfocal microscopeを用い、SP-B(precursor)、SP-B(mature)とHPS2蛋白の局在について検討した。 1.HPS1のEx15以外についての検討ではいくつかの遺伝子多型は認められたが、健常者群と患者群で有意差は認められなかった。 2.HPS2の残りのExでは遺伝子変異・多型は対象症例では見つからなかった。 3.HPS1蛋白は胞体全体が染色されるのに対し、HPS2蛋白は核の周囲が顆粒状に染色された。またSP-B(precursor)よりSP-B(mature)の方がHPS2との細胞内局在は似ていた。 今回の研究で間質性肺炎特異的なHPS1、HPS2遺伝子変異・多型は認められなかったが、HPS2は肺サーファクタント分泌に関与している可能性が推測され更なる検討が必要と考えられた。
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