2002 Fiscal Year Annual Research Report
NKT細胞のIgE抗体産生調節機構から見た高IgE症候群の病態解析と治療法開発
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14657181
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 滋 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30124605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 洋司 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20332520)
大橋 芳之 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60250825)
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Keywords | 高IgE血症 / ケモカインレセプター / 免疫不全症 |
Research Abstract |
1)特徴的な顔貌で、2)MRSAによる皮膚膿瘍、骨髄炎、pneumatocele等繰り返す感染巣が存在し、3)血清IgE値が1万-10万IU/mlという条件で3名の該当患者を見出した。臨床的にはST合剤、あるいは予防的抗生物質投与が奏功し、感染症は概ねコントロールされている。IgE値は3.5万-10万IU/mlとかなりの高値を示した。フローサイトメーターによるリンパ球サブセットの解析では、CD3(+)70-80%, CD4(+)+CD8(+)69-82%, CD19(+)9.7-22.0%, CD16/CD56(+)2.2-4.5%であり、特にダブルネガティブT細胞が目立つ所見は得られなかった。今後CD3(+)CD4(-)CD8(-)あるいはCD3(+)CD4(+)CD8(-)のNKT細胞ポピュレーションの存在について、TCRα/TCRβ/CD1d等に特異的な抗体を使用してより詳しく解析をしていく。 次にCCR1, CCR2, CCR3, CCR4, CCR6, CXCR1, CXCR2, CXCR3, CXCR4, CXCR5と計10種類のケモカインレセプターの発現について、フローサイトメーターを用いて検索した。興味深いことに3症例共にCD8陽性細胞におけるCCR2の発現、CD4およびCD8陽性細胞におけるCCR6の発現が正常対象に比較し強く抑制されていた。また、2例においてはCD4陽性細胞におけるCXCR4の発現が強く抑制されていた。正常対象と比較し発現の増強をみたケモカインレセプターは存在しなかった。CCR6ノックアウトマウスではジニトロフルオロベンゼンに対する遅延型過敏反応が増強されていることが知られている。今後リンパ球ケモタキシスの実験系を整備し、更に詳しくこれらケモカインレセプター発現減少と高IgE血症の関連について検索を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawai et al.: "Flow cytometric determination of intracytoplasmic Wiskott-Aldrich syndromeprotein in peripheral blood lymphocyte subpoputations"J Immunol Methods. 260. 195-205 (2002)
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[Publications] Tsuchiya s: "Diagnosis of Epstein-Barr virus-associated diseases"Crit Rev Oncol Hematol. 44. 227-238 (2002)
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[Publications] Ohga et al.: "Treatment responses of childhood aplastic anaemia with chromosomal aberrations at diagnosis"British J Heamatology. 118. 313-319 (2002)
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[Publications] 土屋 滋: "X連鎖重症複合免疫不全症の遺伝子治療"日本小児血液学会雑誌. 16. 2-10 (2002)
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[Publications] 土屋 滋: "小児の遺伝子治療"小児科. 43. 1872-1879 (2002)
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[Publications] 土屋 滋: "CD45の異常と重症複合免疫不全症"臨床免疫. 38. 653-658 (2002)