2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657190
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中沢 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 洋子 東京大学, 医学部, 助手 (70291698)
吉田 恭子(今中 恭子) 三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
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Keywords | 心臓 / 冠状動脈 / 発生 / マウス胚 / ニワトリ胚 / ウズラ胚 |
Research Abstract |
ニワトリ、ウズラ初期胚の心臓神経堤を電気的に焼灼除去した総動脈幹遺残心では冠動脈の異常が多く発生する。冠動脈の発生は、胎生7日頃に右冠動脈が左よりも優位に先に発達し、その後胎生9日頃に左冠動脈が形成されることがわかった。このモデルを使って血管内皮成長因子であるVEGFとTie2,ウズラ内皮特異細胞QH1抗体を用い,免疫染色を施行したところその分布が異なり、正常コントロール、総動脈幹心群とも胎生8日では内皮そのものにはTie2は発現していないことが判明した。胎生7日では左冠動脈はその領域でangiogenesis様の結合を認めることが多い。大血管周囲の血管平滑筋の存在しない部位ではVEGF、Tie2の発現は認められなかった。平成15年度の予備実験としてウズラ-ニワトリキメラ胚の作成、つまり横隔膜間葉組織由来の冠動脈前駆細胞(PEO)(DiIでマーク)を、ニワトリ胚に移植してその移動とステージを確認した。 テネイシンCは、9.5日胚の横中隔間葉組織のproepicardial organ(PEO)に強い発現が見られるが、冠血管前駆細胞が心臓に到達すると消失し、心臓表面を遊走、心筋層内にもぐり込む際には発現が見られないが、管腔形成にともなってテネイシンXが発現した。13日胚で冠動脈が大動脈に開口する少しまえに、大動脈基部の原始血管網にそって再び発現が見られ、テネイシンCは原始冠動脈が2本、正しく大動脈に開口するのを誘導する可能性が考えられた。 次に、9.5日の野生マウス胚からPEOをのみを分離し、コラーゲン、ラミニン、ファイブロネクチンコートしたカバーグラス上に培養しても、上皮細胞様の形態をとり一層のシート状に広がったが、rat tailから精製したコラーゲンゲル上あるいはサンドイッチにして培養すると、培養後3日目頃より、細胞が配列して数本の突起様をつくり、徐々にゲル内にもぐり込みながら、網目状の管状構造物を形成し、組織切片で管腔構造を形成していることが確認できた。したがって、PEOは、心筋組織による誘導なしで単独で血管様構造を形成する能力をもち、RT-PCRでテネイシンXが発現が確認されたが、生体では発現が抑制されるテネイシンCの発現も見られた。ゲルに精製テネイシンCを添加したが、血管様構造物の形成は、これまでのところ形態的には明らかな差を認めていない
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naruse M, Ishihara Y, Miyagawa-Tomita, et al.: "3-Methyl-cholanthrene, which binds to the arylhydrocarbon receptor inhibits proliferation and differentiation of osteoblasts in vitro and ossification in vivo"Endocrinology. 143(9). 3575-3581 (2002)
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[Publications] Shen J, Nakanishi I, Gu H, Miyagawa-Tomita S, Wu GR, Momma k, Nakazawa M: "The role of endothelin in oxygen-induced contraction of the ductus arteriosus in rabbit and rat fetuses"Heart Vessels. 16. 181-188 (2002)
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[Publications] 鈴木淳子, 宮川-富田幸子, 小松敬子, 中澤 誠, 深谷 隆, 馬場國藏, 由谷親夫: "川崎病既往正常冠動脈の免疫組織化学的検討"Prog in Med. 22(7). 1624-1628 (2002)
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[Publications] 今野結子, 富田幸子, 萩原啓実, 石原陽子: "マウス胎仔骨の発達におよぼす各種内分泌撹乱物質の影響"日本衛生学会雑誌. 57(1). 137 (2002)
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[Publications] 今野結子, 富田幸子, 萩原啓実, 石原陽子: "ホ乳類の骨形成・分化に基づいた偽内分泌撹乱化学物質の健康影響評価"日本産業衛生学会雑誌. 44. 470 (2002)
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[Publications] Sugimura H, Miyagawa-Tomita S, Nakazawa M: "Effect of the cardiac neural crest for the coronary angiogenesis and/or vasculogenesis"Weinstein Cardiovasc Meeting. 80 (2002)