2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 徹 京都大学, 医学研究科, 助手 (40293857)
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Keywords | 低酸素 / 遺伝子治療 / 細胞療法 / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
腫瘍特異的な低酸素環境において、選択的な遺伝子発現を達成するためのベクター開発に取り組んだ。ヒトVEGFの調節領域を応用した低酸素誘導性レトロウイルスベクターの作成を行った。本研究では、恒常的発現を起こす通常のものでなく、Self-inactivating typeのpSIRを選択した。得られたレトロウイルスを細胞株に感染させ、G418により選択し、得られたクローンを用いて反応性を調べた。特にヒト単球系由来のTHP-1に着目し、低酸素に対する反応とともにTPA刺激による影響をみた。18-24時間の低酸素培養により約千倍の誘導効率を示し、TPAによりさらに3-10倍の増強を認めた。この結果は単球からマクロファージへの分化刺激により低酸素誘導性遺伝子発現が増加する可能性を示している。 また、癌抑制遺伝子p53は、VEGF等の低酸素依存性の遺伝子発現に対し抑制的に働くとの報告がある。我々はp53 statusの異なる種々の培養細胞にて、レポーターアッセイを行ったが一定の傾向を示さなかった。HT1080のp53が野生型および変異型のisogenic cell lineを入手し、低酸素依存性遺伝子発現に対する影響を検討した。レポーター、VEGFのNorthern blotを行った。興味深いことに、野生型に比べ、変異型のものでいずれの解析でも低酸素、有酸素下いずれにおいても遺伝子発現が低下している結果が得られた。このミスセンス変異型の蛋白は恒常的に細胞内蓄積が認められており、転写抑制効果を発揮している可能性が考えられた。 次に、低酸素領域を陽性描出する試みとしてGFP発現ベクターを作成し、培養細胞Be11に導入した。FACSを用いての解析で、好気的条件では殆ど蛍光を示さないが、低酸素培養により選択的なGFP発現の増強を示す細胞株を樹立した。ヌードマウス移植腫瘍モデルにて適切な励起光と光学フィルターの利用により、非侵襲的に生体腫瘍内での緑色蛍光の描出が可能であった。このことは、腫瘍内に我々の低酸素応答性ベクターの転写活性化に十分な低い酸素分圧の組織が存在することが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shibata, T., Giaccia, A.J., Brown, J.M.: "Hypoxia-inducible regulation of a prodrug-activatingenzymefor tumor-specific gene therapy."Neoplasia. 4. 40-48 (2002)
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[Publications] Cao, Y.J., Shibata, T., Rainov, N.G.: "Liposome-mediated transfer of the bcl-2 gene results in neuroprotection after in vivo transient focal cerebral ischemia in an animal model."Gene Ther. 9. 415-419 (2002)
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[Publications] Game, J.C., Birrell, G.W., Shibata, T., et al.: "Use of a Genome-Wide Approach to Identify New Genes that Control Resistance of Saccharomyces cerevisiae to Ionizing Radiation."Radiat Res. 160. 14-24 (2003)
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[Publications] Liu, J.Y., Shibata, T., Qu, R.J., et al.: "Influences of the p53 Status on Hypoxia-induced Gene Expression."J.Radiat.Res.. (in press).