2004 Fiscal Year Annual Research Report
簡易連続型超偏極希ガス生成装置の試作と水素や炭素核の高感度MRI実験への応用
Project/Area Number |
14657215
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 英明 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90107102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 敦臣 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70303972)
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Keywords | 超偏極希ガス / NMR / 二次元NMR / Xe-129 / 包接相互作用 / カリックスアレン / 平衡定数 / エンタルピー |
Research Abstract |
超偏極Xeガスを吹き込みつつNMR測定する際には、吹込み中の信号観察は波形のゆがみを伴うので、これを避けるため、吹き込みとFID信号取り込みを同期する実験ユニットを組み立て、それに応じた改良をパルス系列に加えた。この方法は、吹き込みや泡切れの時間間隔を適正に設定すれば蛋白溶液などでの実験に大いに有効であることを確認した。 Hoesyの二次元実験はP-31とH-1の間では文献通りに交差ピークの出現を確認できたが、超偏極Xe-129とH-1の間では未確認である。これには、ミキシング時間の適切な設定が不可欠と考えられた。 二成分系として、水溶性のカリックスアレンとXeの包接相互作用を、化学シフトの濃度依存性の平衡論的考察から解析し、平衡定数を求めた。この際、化学シフトの濃度依存性は50ppm以上の大きな値となることが分かり、平衡定数を求める簡単なプロットを提案した。 さらに平衡定数の温度依存性を調べ、相互作用のエンタルピーとエントロピー成分を求めた。これらの値を、既に報告されているシクロデキストリンやクリプトファンAの結果と比較した。カリックスアレンはシクロデキストリンより大きな化学シフト変化を示したが、平衡定数は大きくなかった。これはカリックスアレンの空洞の大きさによると考えられた。 エンタルピーやエントロピーは、ミオグロビン誘導体とXeの相互作用の場合と同程度であることを確認した。結果として、Xeは相手分子の芳香環部分と強い相互作用を示すことが分かった。
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Research Products
(4 results)