2003 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素状態における放射線感受性とミトコンドレアDNA
Project/Area Number |
14657216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 武宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10159981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324774)
大関 修治 大阪大学, 遺伝情報実験センター, 助手 (80093384)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 低酸素 / 放射線 / 放射線感受性 / DNA損傷 |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNAを欠失した変異株(ρ^0cell)を、ミトコンドリアDNAを保持している親株(ρ^+cell)と比較して放射線感受性とミトコンドリアDNAの関わりを調べた。線維芽細胞と骨肉腫の2種類の細胞株を用いて、コロニー形成試験と微小核形成試験を行った。コロニー形成試験では有意差はないが、ρ^0cellはρ^+cellより放射線感受性が高い傾向を示した。また微小核形成はρ^0cellがρ^+cellに比較して少ないことを見出した。酸化的リン酸化経路の阻害剤であるアンチマイシAを用いてATP産生を阻害したところρ^+cellで微小核産生が減少することを確認、ATP産生量との相関を明らかにした。次に線維芽細胞で同様の結果を得て、ATP量が微小核生成試験において重要であることを2つ以上の細胞で実証した。ついで低酸素状態での影響を検討するため低酸素状態実験系(N295%&5%CO2、pO2<10mmHg)を作成しコロニー形成試験と微小核形成試験を行なった。低酸素状態では骨肉腫細胞・線維芽細胞いずれのρ^0cellおよびρ^+cell細胞でも著しい放射線抵抗性を示した。OERは2-3倍をしめしρ^+cellとρ^0cellの間に有意差はなかった。これはATP産生のみならずDNA損傷そのものが減少している可能性がある。そこでさらにコメットアッセイを導入し10Gy照射後のDNA損傷を検討したところいずれの細胞でも低酸素状態ではDNA損傷の著しい軽減化が認められたが株間の差はなかった。これらの結果より低酸素状態における放射線抵抗性にはミトコンドリアDNAの寄与は少なく、ラジカル減少などの要素が大きいものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koizumi M: "Influence of in vitro radiation on changes in nitric oxide in rat macrophages and smooth muscle cells."Anticancer Res.. 23(1A). 331-334 (2003)
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[Publications] Matsumura S: "Comparative analysis of G2 arrest after irradiation with 75 keV carbon-ion beams and 137Cs gamma-rays in a human lymphoblastoid cell line."Cancer Detect Prev.. 27(3). 222-228 (2003)