2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子透かし技術を用いた医用画像・所見の著作権保証伝送・保管システムの構築
Project/Area Number |
14657222
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
梅田 徳男 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (40142319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 明子 三重大学, 医学部, 助手 (20290546)
池田 俊昭 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (00184424)
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Keywords | 電子透かし / 著作権保証 / 安全性・秘匿性 / 医用画像保管・伝送 / 遠隔医療 / 在宅医療システム / PACS / Healthcare System |
Research Abstract |
現在,施設間の医療情報の伝送試行や,自宅療養している慢性疾患,寝たきりなどの患者と診療所とをテレビ電話で接続し,患者家族の負担減少,医師の往診回数の減少を図るシステム構築の試み,保健所と地域市民とを結ぶ在宅健康管理システムを構築して,市民の血圧や心電図などの測定データを伝送する試み,e-メールを介して医師に24時間質問を受け付ける医療相談などの試行が,テレビ電話やインターネットを介して行われている。しかし,これらのいずれもが,テレビ電話やインターネットを介しての情報通信に際して,医用画像・診断所見の著作権保証,安全性・秘匿性が確保されていない。これらを実現するためには新たなハードウエアを必要としたり,医療情報の伝送容量が増加したりする。 本申請者らは医用画像・診断所見の著作権保証,安全性・秘匿性を確保するために,2次元スペクトルを持つ新しい『電子透かし技術』を開発した。この電子透かし技術は透かし情報をノイズ成分に重畳するために,元の医療情報の容量が増えず,新規の大規模な設備も必要としない。また,伝送や復調の際に'セキュリティ鍵'の必要がない。正しく認証された場合のみ,画像を受け取ることができる。我々はこの技術を原本保証を付加するためにCTやMR画像に取り入れた。この技術はまた,電子透かし画像にCTやMR画像を秘匿することも可能である。結果として,保管された画像は医者にとって良い画質であった。本システムはまた,血圧,脈拍,体温などの患者のバイタルデータを伝送する機能も持つ。電子透かし画像のS/Nは平均40-45dBであった。電子透かしMR画像容量は328kB(階調8bit)で,電子透かしされていないMR画像容量と全く同じであった。10年の経験を持つ診断医が高精細ディスプレイ上でその差を見いだせず,診断には十分な画質であった。
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[Publications] 大川 明子, 他1名: "遠隔看護実戦可能なリアルタイム在宅看護支援実験システムの構築"日本看護研究学会雑誌. 25,3. 263 (2002)
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[Publications] 梅田 徳男: "IT技術で広域化する医療システム,モニタとビューア"映像情報Medical. 34,12. 1088-1092 (2002)
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[Publications] 梅田 徳男: "遠隔診断とモニタ診断"INNERVISION. 17,8. 75-79 (2002)
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[Publications] 相澤 寛子, 他2名: "病診連携用在宅患者の医療情報保管・伝送システムの構築-患者のバイタルデータ自動入力・保管システムを中心として"第13回日本在宅医療研究会学術集会抄録集. 46
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[Publications] K.Haneda, 他4名: "Methodology Development for Quantitative Optimization of Security Enhancement In Medical Information System -Case Study In RIS and Multi-Institutional Radiotherapy Database -"Computer Assisted Radiology and Surgery. 15. 792-797 (2002)