2003 Fiscal Year Annual Research Report
治療抵抗性うつ病の病態背景にあるヒト遺伝子多型の系統的探索
Project/Area Number |
14657235
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
上島 国利 昭和大学, 医学部, 教授 (80051613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光彦 昭和大学, 医学部, 講師 (60240040)
百瀬 和享 昭和大学, 薬学部, 教授 (80004597)
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Keywords | 遺伝子多型 / うつ病 / SNP / 難知性 / 治療抵抗性 |
Research Abstract |
これまで我々は、抗うつ薬の奏効機転に関与する機能分子をラット脳より約200種同定してきた(antidepressant related gene:ADRG1-200)。なかでも、ADRG#34は、抗うつ薬及び物理的うつ病治療法である電気ケイレン負荷、経頭蓋的磁気刺激負荷においてもその発現が増加することが明らかとなり、うつ病の治癒過程に重要な遺伝子である可能性が考えられた。一方、精神障害の治療は薬物療法を中心に行われているが、十分な投与量と投与期間をおいても効果がみられない難治性・治療抵抗性患者が約20%存在し大きな問題となっている。そこで我々は、「治療抵抗性患者では、うつ病が治癒するのに重要な機能分子システムに、遺伝子多型に由来する異常がある』という作業仮説立て、ADRG#34ヒトホモログの翻訳領域に存在する単一遺伝子多型(SNP)の検索を行うことを目的とした。同意が得られた健常成人より血液を採取し、total RNAを抽出した。逆転写反応によりcDNAを合成し、ADRG#34の翻訳領域を4部位(I、II、III、IV)に分け、それぞれ特異的プライマーにより各フラグメントを特異的にPCR増幅する条件を設定した。続いて得られたPCR産物の塩基配列をジデオキシ法により決定・解析し、それぞれのサンプルより得られた配列をアライメントし単一遺伝子多型の検索を行った。その結果、翻訳領域IIIにおいてアミノ酸変異を伴う遺伝子多型候補を発見した。今後はさらに分析数を増やし候補遺伝子多型が真の遺伝子多型であるかを検討していくとともに、他の変異も継続して探索していく計画である。 本研究は、遺伝子試料提供者の人権を擁護するためのガイドラインに準拠し「昭和大学医学部医の倫理委員会」の承認を受けている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nishioka et al.: "Induction of kf-1 after repeated electroconvulsive treatment and chronic antidepressant treatment in rat frontal cortex and hippocampus."J.Neural.Trans.. 110. 277-285 (2003)
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[Publications] Yamada et al.: "Antidepressant research in the era of functional genomics - Farewell to the monoamine hypothesis -"Biogenic Amines. in press. (2004)