2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外EGF様反復構造を有する7回膜貫通型ヒト受容体EMR1に関する研究:抗体作成と発現細胞の同定、結合分子シグナルの検討、並びにリガンドの検索
Project/Area Number |
14657250
|
Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
湯尾 明 国立国際医療センター, 研究所, 部長 (90221663)
|
Keywords | 7回膜貫通型受容体 / EMR1 / 単球 / G蛋白共役受容体 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
細胞外EGF様反復構造を有する7回膜貫通型ヒト受容体EMR1は、走化性因子の受容体とは異なる特異な構造を有する。本研究においては、この受容体に対する抗体を作成して、ヒト血球における発現分布を明らかにする。また、リガンドもしくは受容体抗体を用いて、会合分子やシグナル伝達機構を探求する。 本年度はEMR1分子に対するモノクローナル抗体の作製を試みたが、下記の理由で抗EMR1抗体産生性ハイブリドーマの樹立が遅れている。当初、マウスに直接ヒト単球細胞株HonoMac6をアジュバントとしてPolyA:PolyUと共に免疫を施したが、期待した抗体価の上昇は認められず、逆に腹水の貯留を認め、それ以上の追加免疫は困難であった。アジュバントとして用いたPolyA:PolyUは核酸成分から成る物質であり、生細胞を免疫原とする際に良く用いられる。今回の免疫原はマクロファージであるので、それを直接PolyA:PolyUが活性化してしまった為、前述の症状を呈したと考えられた。 そこで直接細胞を免疫しなくても済む手法を検討した。免疫原となるタンパク質を組換え蛋白として発現させて用いる手法を試みた。EMR1分子は細胞外に約600アミノ酸残基をもつ7回膜貫通蛋白質であるので、抗体の標的となる細胞外ドメインをコードするcDNAをPCR法で単離し、標識タグとしてヒトの免疫グロブリン遺伝子と融合させ、発現カセットを構築した。これを動物細胞にて発現させてみたところ、予想とは異なる分子量の蛋白が得られた。これは後になってGPSドメインと呼ばれる特異的に蛋白分解酵素の攻撃を受けうる部位が存在する為であったことが判明した。現在コンセンサスとして知られているGPS配列を除去した可溶化EMR1分子を作製し、免疫原として使用し、研究を進めている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 湯尾 明他: "Disruption of mitochondria is an early event during dolichyl monophosphate-induced apoptosis in U937 cells"Zool Sci. 19. 7-13 (2002)
-
[Publications] 湯尾 明他: "Potential roles of ERK but not p38 during myeloid differe ntiation of U937 cells stimulated by cytokines"Exp Hematol. 30. 571-581 (2002)
-
[Publications] 湯尾 明他: "Oxidation-triggered JNK and p38 MAP kinase pathways for apoptosis in human leukemic cells stimulated by EGCG"Biochem J. 368. 705-720 (2002)
-
[Publications] 湯尾 明他: "G-CSF-induced terminal maturation of human myeloid cells is specifically associated with --------"Int J Hematol. 77. 142-151 (2003)
-
[Publications] 湯尾 明他: "Distinct involvement of c-AMP-response element-dependent transcriptions in the functional and -------"J Leukoc Biol. 73(印刷中のため未定). (2003)
-
[Publications] 湯尾 明他: "医学大辞典"医学書院. 3062 (2003)