2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657257
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北村 正敬 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90333062)
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Keywords | 腎不全 / 糸球体硬化 / 再生医学 / 幹細胞 / 遺伝子導入 / 分子生物学 / 糸球体腎炎 / 血管再生 |
Research Abstract |
本研究では、過去に研究代表者が開発した糸球体内細胞移植の技術を用い、血管幹細胞・前駆細胞を障害糸球体内に移植するとともに、遺伝子導入フィーダー細胞を用いて血管系の再構築に適した内部環境を整え、失われた細小血管系の再生を目指している。具体的には、間葉系幹細胞等の血管前駆細胞と、血管形成促進因子を遺伝子導入したフィーダーメサンギウム細胞とを、腎動脈より血行性に糸球体内に移植し、硬化の途上にある糸球体の血管網を再生させることが出来るかどうかを検討している。その第一のステップとして、各種フィーダー細胞を作製するため、まずインブレッドラット腎臓単離糸球体よりメサンギウム細胞を培養し、クローン化することに成功した。さらにそれがメサンギウム細胞としてのphenotypeを有することを、形態学的に、また各種マーカー分子の発現の検討により確認した。次にこの細胞系が実際にフィーダー細胞としての役割を担いうるかを検討するため、分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)遺伝子をウイルスプロモーターのもとで恒常的に発現する細胞を樹立し、正常および腎炎ラット糸球体に移植した。その後経時的に血清を採取し、化学発光測定系によりSEAP活性を評価。血清SEAPレベルの朋らかな上昇が認められたことにより、フィーダー細胞としての有用性が確認された。現在、メサンギウム細胞への血管形成促進因子(VEGF)遺伝子の導入実験を継続中であるが、現段階で高いVEGF活性を有するフィーダー細胞はまだ樹立できていない。幹細胞に関しては骨髄由来間葉系幹細胞に焦点を絞り検討を行っているが、インブレッドラット骨髄より間葉系幹細胞の細胞系を樹立することが難しく、現在ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を入手、それを免疫抑制剤(シクロスポリンおよびFK504)使用下でラットに移植するXenotransplantationの実験系を検討している。
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