2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイド点突然変異誘発法を用いた新規糖尿病遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
14657273
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 博司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20221062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 茂晴 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, チームリーダー(研究職) (90192434)
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324766)
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Keywords | 糖尿病 / 突然変異 / 遺伝 |
Research Abstract |
ポストシークエンス時代のゲノム医学の大きな課題は遺伝子変異と疾患の機能的関連を解明すること(機能遺伝学)である。特に、糖尿病をはじめとする多因子疾患の原因となる一塩基置換(Single Nucleotide Polymorphism : SNP)と疾患との関連を機能的に証明することが重要な課題となるが、従来の解析法ではSNPのような軽微な変異の疾患への関与を証明することは困難であり、新たな解析法の開発が強く望まれてきた。 最近、ゲノム上にランダムに点突然変異を誘発し、網羅的・体系的に表現型変化をスクリーニングすることにより、誘発された点変異(SNP)と表現型変化を直結させる大規模プロジェクト(マウス・ミュータジェネシス・プロジェクト)が世界的規模でスタートした。わが国でも分担研究者である若菜博士をチームリーダーとする理研ゲノム科学総合研究センター・マウス変異開発チームにおいて変異マウスの作製が進行中であり、奇形・行動異常などを示す変異体が既に5%内外の個体に見出されている。元来本法による点突然変異はゲノム上のすべての遺伝子にランダムに誘発されることから、表現型の誘導・検出に工夫を凝らすことにより、糖尿病のような多因子疾患の感受性遺伝子の同定・解析にも応用・展開が可能な有力なアプローチ法と考えられる。本研究では突然変異誘発個体を長期観察することにより、糖尿病・糖代謝に異常を認める個体を複数見出した。さらに、遺伝性解析により、こららの異常の遺伝性が確認され、遺伝子異常にもとづく変化であることが見出された。各異常個体の病態の詳細な解析と交配による異常遺伝子のマッピングを進めることにより、糖尿病に関連する新たな遺伝子異常が同定されることが期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawabata Y, Ikegami H, et al.: "Asian-specific HLA haplotypes reveal heterogeneity of the contribution of HLA-DR and -DQ happlotypes to susceptibility to type 1 diabets"Diabetes. 51. 545-551 (2002)
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[Publications] Shintani M, Ikegami H, et al.: "Leptin gene polymorphism is associated with hypertension independent of obeisty"J Clin Endocrinol Metab. 87. 2909-2912 (2002)
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[Publications] Ikegami H, et al.: "Genetic dissection of type 1 diabetes susceptibility gene, Idd3, by ancestral haplotype congenic mapping"Annals of New York Academy of Science. 958. 325-328 (2002)
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[Publications] Babaya N, Ikegami H, et al.: "Sequence analysis of Tnf as a candidate for Idd16"Autoimmunity. 35. 63-66 (2002)
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[Publications] Taniguchi H, Yamato E, Tashiro F, Ikegami H, et al.: "β-cell neogenesis induced by adenovirus-mediated gene delivery of transcription factor pdx-1 into mouse pancreas"Gene Therapy. 10. 15-23 (2002)
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[Publications] Ikegami H, et al.: "Congenic mapping and candidate sequencing of susceptibility genes for type 1 diabetes in the NOD mouse"Annals of New York Academy of Science. (in press). (2003)