2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657278
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 誠一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60221066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 一也 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30343049)
溝井 賢幸 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90271949)
笠井 憲雪 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60001947)
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Keywords | 大腸癌 / リンパ管新生 / VEGF-C / VEGF-D / CD44 |
Research Abstract |
4種のヒト大腸癌細胞株(Colo320, CCL188, CX-1, MIP101)を用いてヌードマウス同所移植自然転移モデルを作成し、リンパ節転移実験を行った。その結果、大腸癌細胞株により転移臓器の選択性がみられた。CCL188はリンパ節および肝に転移を形成するがColo320は全く転移を形成しなかった。 リンパ管新生因子であるVEGF-C, VEGF-Dの発現をRT-PCR法で確認したところColo320はVEGF-C(++),VEGF-D(+)に対しCCL-188はVEGF-C(-),VEGF-D(±)であった。すなわち。VEGF-C, VEGF-Dの発現とリンパ節転移との相関を認めなかった。 つぎに、従来より大腸癌細胞株の実験肝転移形成との関連を報告している細胞接着分子CD44に着目し、リンパ節転移との関連を検討した。CD44の発現をFACSで確認したところ、Colo320(-)に対し、CCL188(+++)であった。さらに、CCL188のanti-sense CD44導入株を樹立しCD44発現が強く抑制されることを確認した。CCL188の親株はヌードマウス同所移植にてリンパ節転移を形成したのに対し、CD44 anti-sense transfectantはリンパ節転移を全く形成しなかった。また、抗マウスVEGFR-3抗体による腫瘍リンパ管染色をい、腫瘍リンパ管密度とリンパ管侵襲度を検討した。腫瘍リンパ管密度はColo320でやや高いが、リンパ管侵襲度はCCL188の親株がColo320, CCL188のCD44 anti-sense transfectantに比較して有意に高値であった。 以上より、ヒト大腸癌細胞株の同所移植自然転移実験において、VEGF-C, VEGF-D発現はリンパ管侵襲・リンパ節転移との関連を示さないが、CD44発現は両者と関与することが示唆された。
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