2003 Fiscal Year Annual Research Report
ガストリノーマ組織株を用いたホルモン異常分泌機構及びインスリン分泌の検討
Project/Area Number |
14657281
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河本 泉 京都大学, 医学研究科, 助手 (90335258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (20301236)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293866)
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Keywords | 膵・消化管内分泌腫瘍 / ガストリノーマ / インスリノーマ / menin |
Research Abstract |
本研究の目的はこれら、ホルモン異常分泌機構を明らかにすることである。われわれはすでにインスリノーマにおいてカルシウムに対する反応が正常のB細胞と異なることを示し、この反応はカルシウム感受性受容体を介する反応であることを明らかにした。また、ガストリノーマにおいてもカルシウム感受性受容体が発現し、カルシウム負荷にてガストリン分泌が起こることを報告している。一方、膵発生の過程で重要な役割を果たしているPDX-1がガストリノーマにおいても発現していることが分かった。このことは分化の過程で膵ラ島とはガストリノーマに何らかの関係があることが示唆される。また、MEN-1に伴う機能性膵・消化管内分泌腫瘍では複数のホルモンを分泌する腫瘍が多発することが知られており、腫瘍化及びホルモン異常分泌にmenin遺伝子異常の関与も示唆される。すでに散発性ガストリノーマにおいてmeninの異常について報告がなされているが、その役割は明らかではない。我々の施設で経験したガストリノーマについてmeninの異常を調べるとともに臨床的背景との相関について検討を行った。散発性ガストリノーマ組織8/13(61.5%)(P:4/7,D:3/5,M:1/1)にmeninのmutationを認めた。3症例に同一のmutationを認めたmenin mutationの有無と原発巣・肝転移・リンパ節転移の間には明らかな相関は認めなかったが、十二指腸ガストリノーマで、menin mutationの有るものは、単発性の腫瘍の傾向があった。散発性ガストリノーマにおいてもmeninの異常が腫瘍化に関連している可能性が示されたが、その異常と臨床病理学的な関連については今後更なる検討を要する。
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Research Products
(2 results)