2003 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD受容体の遺伝子多型と胃切除後骨障害に関する臨床研究
Project/Area Number |
14657302
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小山 諭 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10323966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 達夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80303147)
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Keywords | 胃切除後患者 / ビタミンD受容体 / 遺伝子多型 / ビタミンD3 / 骨型アルカリフォスファターゼ(BAP) / オステオカルシン(OC) / 尿中デオキシピリジノリン(FDPY) / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
本研究は、ビタミンD受容体遺伝子多型が骨障害発生の危険群である胃切除後患者膜にどう影響をあたえるのかを明らかにすることを目的として開始された。 現在までに胃切除後患者111名(男性67名、女生44名)について、ビタミンD受容体遺伝子多型をダイレクトシークエンス法で分析し、骨代謝マーカーはビタミンD3、骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)、オステオカルシン(OC)、尿中デオキシピリジノリン(FDPY)を、骨密度はDEXA法にて測定した。遺伝子型では転写活性の高いAA型20例(18%)、転写活性の低いGG型42例(38%)、ヘテロ接合体のAG型は49例(44%)であった。年齢、術後経過年数、胃切除術の患者背景にはこの3群間では差は認めないものの、AA型は男性の割合が多い傾向があった。BMDではAA/AG/GG型で0.99/0.94/0.83とGG型はAA型に比べ有意に低く(p<0.05)、%BMDではAA/AG/GG型で110%/103%/100%と3群間で有意差を認めないものの、%YAMではAA/AG/GG型で93.6/79.6/79.3とGG型はAA型に比べ有意に低かった(p<0.05)。血清ビタミンD3値はAA/AG/GG型で56/59/60と有意な違いを認めなかった。骨吸収マーカーであるFDPY値はAA/AG/GG型で、それぞれ5.9/6.4/7.9であり、また、骨形成マーカーではBAP値が26.5/30.5/31.3、OC値が9.9/9.4/10.7であったが、いずれの指標も3群間で有意差を認めず、代謝マーカー上はビタミンD受容体遺伝子多型と骨代謝の関係は明らかではなかった。骨粗鬆症と診断されたものは全体で28%であり、AA/AG/GG型で200%/32.7%/28.6%であった。ビタミンD受容体遺伝子多型は胃切除後の骨代謝に影響を与える因子の一つである可能性があるが、他の要因についても検討する必要があることが示唆された。 これらの結果の一部は、平成14年4月に京都で開催された第102会日本外科学会定期学術集会、および平成15年6月に札幌で開催された第103会日本外科学会定期学術集会で発表された。
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