2002 Fiscal Year Annual Research Report
1ヶ月保証の超低価格血液ポンプの実用化を阻む要素の徹低解明
Project/Area Number |
14657328
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
桜井 靖久 早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (20010027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 清隆 早稲田大学, 理工学部, 助手 (20339691)
北村 信夫 京都府立医科大学, 心臓血管外科, 教授 (70075513)
梅津 光生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90132927)
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科・マテリアル工学, 教授 (90193341)
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Keywords | 低価格拍動ポンプ / 補助人工心臓 / 真空成形 / 高周波溶着 / 短期使用 / コスト / ディスポーサブル / 大量生産 |
Research Abstract |
1個50万円程度と超低価格の拍動型血液ポンプの実用化を目指し,その基盤となる真空成形法によるポンプ安定生産の確立を重点的に行なった.1)真空成形用シート材料,2)金型形状,3)製作条件の項目について1から見直し,また,本研究対象である旋回渦流型血液ポンプ形状を数値流体力学的観点からも最適化することを試みた.まず,真空成形用材料には熱可塑性のポリウレタン(T8185,日本ユニポリマー)を使用し,均一な厚さを得るために射出成形で加工前シートを製作した.ポンプは,ハウジング,ダイアフラム,ベースの3パーツをそれぞれ製作し,その後それらを高周波で溶着させる方針とした.ハウジングは流入口と流出口のなす角度が55度と3次元的な構造を有しているので,その金型に関しては流入ポートとその他の部分をそれぞれ製作した後に溶接して一体化させ,表面を鏡面仕上げした。これらの製作したモールドを用いて真空成形法でポンプパーツの製作を行い,品質安定のための製作条件を検討した.最終的に加熱温度580℃の条件で,ハウジングでは81秒,ベースでは72秒,ダイアフラムでは9.5秒の加熱時間で型どおりの成形品を得られた.また,成形品の厚さ分布を測定した結果,ハウジング,ベース,ダイアフラムのそれぞれで平均値に対するばらつきは±8%以内,±3%以内,±5%以内となり,安定した品質の拍動ポンプを製作可能となった.合わせて,真空成形した3つのパーツを高周波で溶着する条件も検討中であり,今後の見通しを立てる基礎データを得ることができた.以上より,各パーツの製作及びそれらの接着を含めてもポンプ1個あたり1時間以内で製作可能となり,安価で大量生産可能なシステムができた.一方,生体膜構造を模擬して分子設計したMPCポリマーの安定生産,及びクリーンルーム内でのポンプ血液接触面の簡易なコーティング技術も合わせて確立できた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K Iwasaki, M Umezu, et al.: "An inexpensive pulsatile blood pumnp : Fabrication strategies and in vitro reliable methodology to evaluate blood compatibility"Proc.of 11^<th> International Conference on Biomedical Engineering. (CD-Rom). 2 (2002)
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[Publications] K Iwasaki, M Umezu, et al.: "Spiral Vortex ventricular assist device : Improvement by engineering analysis and simulation"Proc.of Asian Simulation Conference/the 5^<th> International Conference on System Simulation and Scientific Computing. VOL.II. 1035-1039 (2002)
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[Publications] T Tsujimoto, K Iwasaki et al.: "A Challenge to develop an inexpensive "Spiral Vortex Pump""Proc.of Asian Simulation Conference/the 5^<th> International Conference on System Simulation and Scientific Computing. VOL.II. 1040-1044 (2002)
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[Publications] 梅津光生, 岩崎清隆, 桜井靖久: "人工心臓の耐久性を予測する上での留意点"第31回人工心臓と補助循環懇話会. 21 (2003)
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[Publications] 岩崎清隆, 梅津光生, 他: "機械的寿命と同時にカルシウム沈着の長期抑制に成功した人工心臓用高分子製弁Jellyfish弁の開発"第31回人工心臓と補助循環懇話会. 81 (2003)
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[Publications] 吉田敬, 岩崎清隆, 小崎哲也, 梅津光生, 桜井靖久: "低価格旋回渦流型拍動血液ポンプの製作法の検討"第9会関東甲信越機械学会. 2003.03.15(発表予定)(in press). (2003)