2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍臨床例における機能MRIを用いた言語機能局在の同定と代償に関する研究
Project/Area Number |
14657333
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉本 高志 東北大学, 総長 (50091765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刈部 博 広南病院, 医長(研究職) (60315489)
隈部 俊宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10250747)
清水 宏明 広南病院, 部長(研究職)
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Keywords | 機能MRI(functional MRI) / 言語(language) / 脳腫瘍(brain tumor) / 脳機能マッピング(brain mapping) / 代償(compensation) |
Research Abstract |
言語賦活機能MRIを用いた言語機能局在のマッピングを目的として、脳腫瘍症例に対して言語賦活機能MRIと言語機能検査を行った。また、皮質刺激による術中脳機能マッピングを施行し、機能MRIから推定された言語機能局在の確認作業を行った。その結果、術中皮質刺激によるマッピングで発語停止ないし遅延の起こった領域のうち、術前の機能MRIで賦活されていたのは12領域中9領域(検出感度75%)、speech arrestの起こらなかった領域で機能MRIでも賦活されていなかったのは61領域中54領域(特異度89%)であった。古典的言語野が機能MRI上で賦活される場合、8領域中7領域で術中皮質刺激で発語停止ないし遅延が起こるが(予測値88%)、機能MRI上で賦活を受けていても解剖学的に古典的言語野ではない場合には、8領域中2領域でしか術中皮質刺激で発語停止ないし遅延が起こらなかった(予測値25%)。以上より、Broca野・Wernicke野におけるfMRI上の賦活は、言語機能を良く反映していることが示唆された。 また、術前および術後機能回復期に機能MRIと言語機能検査を行うことにより、言語機能代償能について検討を行った。その結果、Broca野・Wernicke野の古典的言語野では、術前後における機能MRI上の賦活の改善・悪化は、言語機能の改善・悪化と密接に関連していたが、古典的言語野以外の領域では、術前後における機能MRI上の賦活の改善・悪化と、言語機能の改善・悪化との間に一定の傾向は見出せなかった。したがって、古典的言語野の担う言語機能は少なくとも短期的には他の領域による代償を受けにくいことが示唆された。
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Research Products
(2 results)