2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤形成メカニズムに関する生化学的および免疫組織学的検討
Project/Area Number |
14657335
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保田 基夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 直勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30143275)
小林 英一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225493)
内野 福生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80323400)
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30260251)
山浦 晶 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40009717)
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Keywords | くも膜下出血 / 破裂脳動脈瘤 / 危険因子 / 喫煙 / スクリーニング / SEREX法 / Western blotting法 |
Research Abstract |
【基礎的研究】先に行った疫学的調査において,くも膜下出血の危険因子であることが明らかとなった,喫煙の血清酵素活性に及ぼす影響を動物実験により検討した。タバコの主流煙抽出液をラットの腹腔内に投与し,投与後経時的に動脈採血をした。プロテアーゼ活性の経時的変化を,ザイモグラフィーにより検出した。結果:ザイモグラフィーでは経時的に変化するプロテアーゼ活性を認めた。インヒビターを用いた検討により,matrix metalloproteinase (MMP)と考えられた。MMP markerとの比較よりMMP 9と考えている。結論:メタロプロテアーゼをはじめとする細胞外マトリックス代謝に関与する複数の酵素が,タバコ主流煙の腹腔内投与により経時的に活性変化を示すことが明らかとなった。酵素活性変化と動脈瘤形成の関係に関しては,今後の検討が必要である。 【臨床的研究】作業仮説:破裂前脳動脈瘤壁において,動脈壁修復などのダイナミックな生化学的病態が存在し,血管壁の未熟なタンパクや分解産物などが産生されている。方法:インフォームド・コンセントを得たくも膜下出血および未破裂脳動脈瘤患者の血清を用いて,SEREX法による一次スクリーニングを行った。続いて,一次スクリーニングで得られたマーカー候補に対してWestern blotting法による二次スクリーニングを行った。結果:現在20例の患者の一次スクリーニングが終了し,約100クローンが単離された。単離されたタンパクの性質をインターネット上で検索するとともに,動脈瘤形成および破裂のマーカーとなりうるか検討を行っている。
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