2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤形成メカニズムに関する生化学的および免疫組織学的検討
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14657335
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保田 基夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225493)
村井 尚之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80241967)
佐伯 直勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30143275)
山浦 晶 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40009717)
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30260251)
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Keywords | くも膜下出血 / 破裂脳動脈瘤 / 危険因子 / 動脈硬化 / スクリーニング / SEREX法 / ELISA法 |
Research Abstract |
脳動脈瘤の病理学的報告から、動脈硬化が脳動脈瘤破裂を予防的に働いていることが示唆されている。我々は、動脈硬化の血中マーカーが動脈瘤破裂のマーカーとなるとの仮説のもとに、動脈硬化に対しSEREX (Serological identification of antigen by recombinant cDNA expression cloning)法を応用し、血中マーカーの同定を試みた。 【方法】千葉大学脳神経外科および関連病院の受診した、頸部内頸動脈狭窄の評価が行われた脳梗塞患者を対象に、インフォームド・コンセントを得て採血を行った。ヒト微小血管内皮細胞由来cDNAライブラリーを組み込んだλZAPIIファージを、大腸菌に感染させ内皮細胞由来タンパク質を発現させた。タンパク質をニトロセルロース膜に転写後、上述の脳梗塞患者血清に反応する陽性プラークを同定した。塩基配列を決定し抗原タンパク質を同定した。同定したタンパク質を組み換えタンパク質として精製し、ELISA法による血中抗体価の測定を行った。 【結果】10例の頸動脈狭窄病変患者血清のスクリーニングで、39種のクローンを抗原タンパク質候補として同定した。6種類のタンパク質の精製を行い、ELISA法により128人の血中抗体価を測定した。6種のタンパク質のうち、Replication protein A2に対する抗体価が高度動脈硬化患者血清で高価を示した。多変量解析の結果、Replication protein A2に対する抗体価は高血圧、糖尿病、高脂血症などの古典的動脈硬化のリスクファクターなどと独立して高度動脈硬化と関連していた。 【結語】今後、脳動脈瘤患者を対象にした前向き研究により、脳動脈瘤破裂の予測マーカーとしての有用性を検討してゆく予定である。
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Research Products
(3 results)