2002 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度放射光(SPring-8)を用いた実験的脳動脈瘤及び脳新生血管の動態解析
Project/Area Number |
14657344
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 晴央 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10183683)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲村 英二 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30225388)
江原 一雅 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20151996)
近藤 威 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50273769)
横野 浩一 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50144580)
櫻井 孝 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50335444)
|
Keywords | 高輝度放射光 / 脳血管撮影 / 脳動脈瘤 / ラット |
Research Abstract |
【目的】第三世代高輝度放射光施設であるSPring-8を用いて、ラット脳血管撮影を行った。【方法】SPring-8医学イメージングビームラインで、成ラットを用い、人工換気下、体血圧、直腸温、動脈血ガスをモニター下、血管撮影を行なった。右外頚動脈にPE50tubeでカニュレーションを行い、造影剤を0.2ml逆行性に右内頚動脈に注入、連続画像をサブトラクションで得た。高血圧自然発症ラットおよびコントロールラットそれぞれn=6で、瀉血を行い全身体血圧の低下が脳細動脈に及ぼす自動調節脳の差異を比較、また、二酸化炭素ガス負荷による血管拡張能を正常ラットで計測した。【結果】撮影範囲8mm×3mmでICA分岐部、中大脳動脈、前大脳動脈、およびそれらの分岐細動脈が観察できた。空間分解能はおよそ50um、時間分解能は0.5secであった。コントロールラットに比べて高血圧自然発症ラットでは、血管径が有意に低下していた。また、脳主幹動脈のみならず、細動脈でも血管拡張能の低下が観察された。二酸化炭素ガス負荷では、主幹動脈で早期に、細動脈では遅れて血管拡張が確認された。【総括】これまでの血管撮影では確認できなかった、脳細動脈の生理的変化が良好な時間分解能を持って、始めて観察できた。これらの観察は、従来の脳表血管の拡張能とは異なり、臨床的意義の高い脳底部の脳血管の生理学的変化を捉えたものであり、今後疾患モデル動物を用いた解析が期待される。
|