2003 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度放射光(SPring-8)を用いた実験的脳動脈瘤及び脳新生血管の動態解析
Project/Area Number |
14657344
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 晴央 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10183683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲村 英二 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30225388)
江原 一雅 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20151996)
近藤 威 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50273769)
横野 浩一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50144580)
櫻井 孝 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50335444)
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Keywords | 高輝度放射光 / 脳血管撮影 / 脳動脈瘤 / ラット |
Research Abstract |
【目的】高輝度放射光施設Super Photon ring 8 (以下SPring-8)を利用した脳血管撮影を行うことにより、従来観察が困難であった径100um以下の細動脈を同一ラットで描出することが可能となった。今回(A)自家血大槽二回注入脳血管萎縮モデルを作成し、Day7で脳血管萎縮の程度とCO2の反応性を評価,(B)一側中大脳動脈閉塞モデルラットにおいて、急性期に側副血行の再生について画像評価した。 【方法】(A)S-Drat(250g-350)を用い、麻酔下にて大腿静脈より採取した自己血を大槽より0.3ml二回注入した。Day7にSPring-8にて脳血管撮影を行った。右外頚動脈にPE-50カテーテルを留置し、内頚動脈系、脳底動脈系の連続脳中管撮影を行った。血管萎縮確認後、CO2負荷を行ってPaCO2を110-120mmHgに上昇させ、再度両血管の造影を行った。(B)田村の原法を用いてMCA閉塞ラットを作成した。 【結果】(A)脳底動脈における萎縮は正常に比べて82%狭窄しており、また、内頚動脈系では有意な萎縮は認められなかった。CO2負荷に対すする拡張性は、後大脳動脈で123%,前大脳動脈・内頚動脈で117%、と明らかに拡張したのに対して、中大脳動脈・脳底動脈では拡張性は失われていた。主幹動脈の拡張以外にCO2負荷前には描出されなかった細動脈が描出される例も認められた。(B)MCA閉塞ラットでは閉塞部位より心臓側で閉塞前には通常認められない皮質動脈の拡張描出が認められた。この新生血管のCO2に対する反応は一定していなかった。 【結論】SPring8を用いることにより同一小動物での反復した脳血管撮影が可能となり、萎縮血管の部位、程度によるCO2反応性の相違や、血管閉塞後の新生血管がラットモデルで確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kondoh T, Sakurai T, Ikeda M, Bhattacharjee AK, Morishita A, Nakajima S, Yamashita H, Kohmura E, Ryu Y, Teranishi T, Yokono E, Umetani K, Yamasaki K: "Synchrotron radiation microagniography system for rat brain : Demonstration of autoregulatory changes of small arteries under hypercapnia and hypotension."J Cereb Blood Flow Metab. 23(Suppl). 185 (2003)
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[Publications] Morishita A, Kondoh, T, Nakaiima S, Ikeda M, Bhattacharjaee AK, Yamashita H, Kohmura E, Sakurai T. Umetani K, Yamasaki K: "Rapid dynamic change of vascular tone and associate rCBF alternation after intra-arterial infusion of mannitol : Microangiographical demonstration using synchrotron radiation facility (SPring-8)"J Cereb Blood Flow Metab. 23(Suppl). 184 (2003)
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[Publications] Yamashita H, Kondoh T, Takashi Sakurai T, YangB, OizumiX-S, et al.: "Overperfusion syndrome after ischemic re-per fusion and related vascular response."SPring-8 User Experiment Report. 12(2003B)(In press). (2003)