2003 Fiscal Year Annual Research Report
In vivoパッチクランプ法を用いた脊髄電気刺激療法の鎮痛機序解明
Project/Area Number |
14657384
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
馬場 洋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00262436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 学 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70303146)
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Keywords | 脊髄後角 / 脊髄電気刺激療法 / In vivoパッチクランプ法 / 下行性抑制系 / 慢性疼痛モデルラット |
Research Abstract |
成熟ラットを用いたin vivo標本における脊髄後角細胞からのホールセルパッチクランプ実験では、末梢からの侵害情報が脊髄膠様質においていかなるシナプス応答を誘起しているかについて検討した。ウレタン麻酔下に人工呼吸を施した7-10週令の雄性ラットに対しL2-L6レベルの椎弓切除と硬膜・軟膜開窓を行い、記録電極を脊髄表面から膠様質へと刺入した。記録細胞の受容野(後肢皮膚)へ機械的痛み刺激、触刺激を与え、ホールセル電位固定下に興奮生および抑制性シナプス応答を記録したところ、機械的痛み刺激によりEPSCの発生頻度と振幅が著明に増加し、触刺激でもEPSCの発生頻度と振幅が増加するのが観察された。さらに・触刺激では刺激中持続してIPSCの発生頻度と振幅の増加がみられたが、機械的痛み刺激では刺激開始時と終了時にのみIPSCの増大が見られた。In vivo標本からの記録の特徴として、膠様質細胞の発生する自発性の速い興奮性シナプス後電流(EPSC)および自発生の速い抑制性シナプス後電流(IPSC)の頻度は、EPSP・IPSPともにスライス標本より得られたものより高かった。特に、IPSPはin vivo標本では顕著に増加していた。このことから、膠様質細胞に上位中枢からの下行性抑制系の影響が及んでいることが強く推察された。 次に、上位中枢の影響がどのように膠様質細胞に作用しているのかを検討するため、頚部冷却による可逆生の上位中枢遮断(Cold block法)による実験を行う予定である。さらに今後は、末梢の痛み刺激により誘発される膠様質細胞の活動を抑制するような脊髄の刺激部位と刺激方法を検討していく予定である。慢性疼痛モデルラットでのin vivoパッチクランプ実験については、上記実験終了後に行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kohno T: "Peripheral nerve injury in the rat alters excitatory synaptic transmission in lamina II of the dorsal horn"J Physiol. 548・1. 131-138 (2003)
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[Publications] Petrenko AB: "Unaltered pain-related behavior in mice lacking NMDA receptor GluR ε 1 subunit"Neurosci Res. 46・2. 199-204 (2003)
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[Publications] Wu C: "Different expression patterns of Bcl-2, Bcl-xl, and Bax proteins after sublethal forebrain ischemia in C57Black/Crj6 mouse striatum"Stroke. 34・7. 1803-1808 (2003)
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[Publications] 岡本学: "脊髄におけるノルアドレナリン作動性下行性痛覚抑制の機序(Inhibitory mechanisms of noradrenergic descending system on nociceptive transmission in the spinal dorsal horn)"臨床麻酔. 27・8. 1251-1262 (2003)
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[Publications] Baba H: "Removal of GABAergic inhibition facilitates polysynaptic A fiber-mediated excitatory transmission to the superficial spinal dorsal horn"Mol Cell Neurosci. 24・3. 818-830 (2003)