2002 Fiscal Year Annual Research Report
鼻・咽頭・口腔の対向流熱交換の原理を応用した選択的脳冷却法の開発
Project/Area Number |
14657386
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岡元 和文 信州大学, 医学部, 教授 (60093994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 幸男 信州大学, 医学部, 助手 (80343193)
川上 勝弘 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (90334911)
奥寺 敬 信州大学, 医学部, 助教授 (50252101)
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Keywords | 脳低体温療法 / 脳蘇生 / 心肺停止 |
Research Abstract |
心肺蘇生の目的は脳障害なしに心肺機能を回復させることである。しかし、心停止患者の神経予後は極めて悪い。最近の調査では、心肺蘇生後の85%の患者が重篤な神経障害を伴っている。心停止患者の神経予後を改善するためには蘇生現場での効果的な脳保護方法の開発が不可欠である。動物実験では軽度低体温が脳保護作用を有することが明らかにされている。寒冷時の溺水患者の神経予後が良いこともよく知られている。更に、動物実験では心停止時または蘇生後のわずかな脳温度の変化が神経予後に影響を及ぼすことが明らかになっている。ヒトには,鼻腔・咽頭・口腔の対向流熱交換の原理に基づいた生理的な選択的脳冷却システムが存在する。そこで,この生理的な対向流熱交換の原理を応用すれば,心肺蘇生時に簡便で素早く行える選択的脳低温療法が開発できるはずである。密着性の高い鼻マスク、屋外でも利用できるようにバッテリー式で空気送気ができる移動式加圧呼吸器、空気冷却装置からなる鼻腔・咽頭・口腔への冷気送気システムを作った。被験者を用い、鼓膜温,頭部深部体温,脳酸素飽和度の同時連続モニター下で,開発した冷気送気システムによる脳冷却効果を確認する実験を開始した。気流温と量を種々に変え,最も効果的な冷却法を明らかにする予定である。脳酸素飽和度の同時連続モニターには現有機器(Invos 4100,Baxter)を用いた。鼓膜温,頭部深部体温,はマックラブ(MacLab 400,現有機器)を介してコンピュータに記憶させ,最も効果的な冷却法を明らかにする予定である。
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