2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠細胞シナプス外GABA分子伝達回路を標的とした催眠導入法の開発
Project/Area Number |
14657398
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 健 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20340979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 薫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20340953)
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
太城 力良 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
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Keywords | 神経膠細胞 / GABA輸送担体 / GABA放出 / P2Y受容体 / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
1、培養ラット海馬神経膠細胞を用いて、GABA輸送担体機能をGABA輸送担体電流を指標として解析した。その結果、GABA輸送担体機能がATP受容体シグナルによって調節されていることが判明した。 2、アフリカツメガエル卵母細胞膜にGABA輸送担体とP2X受容体あるいはP2Y受容体を同時発現させた。GABA輸送担体電流はP2Y受容体活性化によって影響を受けなかったが、P2X受容体活性化によって抑制された。この結果は、GABA輸送担体が膜電位の変化によって調節されていることを示唆している。 3、培養ラット海馬神経膠細胞からのGABA放出を高速液体クロマトグラフィーで測定した。神経膠細胞からのGABA放出は機械刺激、高Kリウム溶液、ATP刺激により放出されることが判明した。 4、P2Y受容体アゴニストは神経膠細胞からのGABA放出を増大したが、P2X受容体アゴニストは効果がなかった。この結果は、ATPがP2Y受容体を介して神経膠細胞からのGABA放出を刺激することを示唆している。 5、ATPが培養ラット海馬神経膠細胞に発現しているP2Y受容体活性化→Gq蛋白質活性化→ホスホリパーゼC活性化→ホスファチジルイノシトールの加水分解→イノシトール3燐酸産生→小胞体のイノシトール3燐酸受容体を活性化→カルシウム放出、の経路を介して神経膠細胞内カルシウム濃度を上昇させることを明らかにした。この神経膠細胞内カルシウム濃度上昇が引き金となってGABA放出を刺激している可能性がある。
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Research Products
(1 results)