2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠細胞シナプス外GABA分子伝達回路を標的とした催眠導入法の開発
Project/Area Number |
14657398
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
長井 薫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20340953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
太城 力良 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
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Keywords | 神経膠細胞 / GABA輸送担体 / GABA放出 / P2Y受容体 / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
神経膠細胞からのGABA放出機構について検討した。 1、培養ラット海馬神経膠細胞から放出されるGABAを高速液体クロマトグラフィーで測定した。機械刺激、高Kリウム溶液、ATP刺激により神経膠細胞からのGABA放出が認められた。 2、P2Y受容体アゴニストは神経膠細胞からのGABA放出を増大したが、P2X受容体アゴニストは効果がなかった。 3、ATPならびにP2Y受容体アゴニストは神経膠細胞内カルシウム濃度を上昇させ、この作用はホスホリパーゼC阻害剤neomycin・U73122、イノシトール3燐酸受容体阻害剤xestosponginで抑制された。 4、ATPと同様にアデノシンならびにアデノシンA_<2a>受容体アゴニストCGS21680も培養ラット海馬神経細胞からのGABA放出を刺激した。 5、この作用はアデノシンA_<2a>受容体アンタゴニストDMPX、PKA阻害剤H-89で抑制された。 6、アデノシンならびにCGS21680は神経膠細胞内カルシウム濃度を上昇させ、この作用はDMPX、H-89で抑制された。 以上の結果は、神経膠細胞からのGABA放出に少なくとも2つの経路(1)ATPがP2Y受容体活性化→Gq蛋白質活性化→ホスホリパーゼC活性化→ホスファチジルイノシトールの加水分解→イノシトール3燐酸産生→小胞体のイノシトール3燐酸受容体を活性化→カルシウム放出→細胞内カルシウム濃度の上昇→GABA放出、(2)アデノシンがアデノシンA_<2a>受容体を活性化→Gs蛋白質活性化→アデニレートシクラーゼ活性化→cAMP産生→PKA活性化→細胞内カルシウム濃度上昇→GABA放出、が存在することを示唆している。
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Research Products
(1 results)