2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部腫瘍に対する細胞診による低侵襲簡易遺伝子診断法の開発と臨床への応用
Project/Area Number |
14657435
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安里 亮 京都大学, 医学研究科, 助手 (70283603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信三 京都大学, 医学研究科, 講師 (90163526)
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Keywords | RT-PCR / 少量組織採取 / RNA保存 / 穿刺吸引 / VEGF |
Research Abstract |
少量の組織採取の方法;組織採取の方法は通常の穿刺吸引細胞診と同様に10ccの注射器に21Gの注射針を用いて腫瘍に刺入し注射器にて陰圧をかけることで細胞の採取するのであるが注射針をより長いカテラン針にすることで効率よく採取した細胞を保存液に入れることができることがわかった。 保存液への移行;採取後の組織のRNAは急速にRNAaseによって分解されるため、直ちにRNA保存液にもどす必要があるが、この際、より効率的にカテラン針内のを注射針から採取するため、あらかじめ用意したRNA保存液を注射器で0.05〜0.1cc吸引し、この注射器内の保存液でに針内の細胞を圧出し、次に同様に新しいRNA保存液で同様の操作を行うことで、十分量の組織を比較的安定して保存することが可能となった。 保存組織内におけるRNA保存の確認;RNA保存液内に採取された組織は常温で4〜6時間おいた後に-20度で保存する。上記のように採取・保存した微量組織が遺伝子解析に耐えうるQualityがあるか否かを確認するため、甲状腺癌症例で3ヶ月以上保存した微量組織と同一症例で手術による組織摘出直後のブロックでRT-PCRをかけてβ-actin、VEGFの発現を確認した結果がほぼ一致し、これらの採取・保存方法が有効であることがわかった。 以上のことから採取から解析までに時間的に十分な余裕があるため、多忙な臨床医でも遺伝子レベルでの研究に時間を費やすことが可能になったと考えられる。また固形癌で少量の組織採取で遺伝子解析が可能となり、組織採取の際の患者への侵襲も最小限で済むことになると考えられる。
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[Publications] 安里 亮, 他: "口腔咽頭癌切除後の胸鎖乳突筋弁による再建"頭頸部腫瘍. 29・1. 1-7 (2003)
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[Publications] 平塚康之, 安里亮, 他: "Polymorphous low grade adenocarcinoma再発例"耳鼻咽喉科臨床. 95・7. 741-746 (2002)
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[Publications] 平塚康之, 安里亮, 他: "原発性上皮小体機能亢進症に対する手術成績"耳鼻咽喉科臨床. 95・1. 525-529 (2002)
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[Publications] 田中信三, 安里亮, 他: "下咽頭部分切除における声門上部の硬的再建術"日本気管食道科学会会報. 53・3. 275-279 (2002)
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[Publications] 田中信三, 安里亮, 他: "T3声門癌の喉頭部分切除術"喉頭. 14・2. 111-114 (2002)
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[Publications] 田中信三, 安里亮, 他: "喉頭部分切除後の発声・嚥下機能"耳鼻と臨床. 49・1. 45-49 (2003)