2003 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部腫瘍に対する細胞診による低侵襲簡易遺伝子診断法の開発と臨床への応用
Project/Area Number |
14657435
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安里 亮 京都大学, 医学研究科, 助手 (70283603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信三 京都大学, 医学研究科, 講師 (90163526)
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Keywords | 頭頸部腫瘍 / 診断 / 治療 / 遺伝子 |
Research Abstract |
頭頸部腫瘍に治療に対する治療は、放射線・抗がん剤・手術などがあるが、これらの治療効果を治療前にあるいは治療中に判断することが可能になれば、治療成績の向上が期待できる。特に治療前・治療中の遺伝子発現が効果判定の指標になることが期待できる。 (1)そのため、京都大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科において実際に治療を行った個々の症例を検討し、放射線・抗がん剤・手術のそれぞれの治療効果を判定し、それぞれの症例でどの治療が最も有効であったか・またどの時点で治療効果に変化が生じたかのデータベースを作成した。 (2)手術により摘出した頭頸部腫瘍あるいはリンパ節から細胞診と同様の手技で採取した細胞を長期保存したのちRT-PCRをかけ、目的mRNAを検出することが安定して可能になった。これにより細胞採取から診断まで時間的余裕が生じて、忙しい臨床の合間にでもmRNA採取に時間を拘束されることなく、検査が可能となった。 (3)治療前の生検や細胞診などの検査で得られた組織の一部(極少量)をmRNA保存液中に保存中である (3)'手術標本からmRNAを抽出し、これらをRT-PCRをかけDNAライブラリーとして保存している。 今後は(1)の臨床で得られたデータベースと(3)または(3)'でえられた遺伝子情報をもとに、抗がん剤有効例と無効例の比較・複数回の抗がん剤使用例で無効になる例での遺伝子発現の特徴。照射無効例と有効例での遺伝子発現の比較。手術症例で、低分化癌の遺伝子発現の特徴・術前予想より局所進展範囲が大きい症例の特徴・多発リンパ節転移症例の遺伝子発現の特徴・再発例の遺伝子発現・遠隔転移部位と原発巣の発現の相違などを検討する予定である。
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[Publications] 平塚康之, 安里亮, 他: "Polymorphous low grade adenocarcinoma 再発例"耳鼻咽喉科臨床. 95. 741-746 (2002)
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[Publications] 平塚康之, 安里亮, 他: "原発性上皮小体機能亢進症に対する手術成績"耳鼻咽喉科臨床. 95. 525-529 (2002)
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[Publications] 田中信三, 安里 亮, 他: "T3声門癌の喉頭部分切除術"喉頭. 14. 111-114 (2002)
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[Publications] 安里 亮, 他: "口腔咽頭癌切除後の胸鎖乳突筋弁による再建"頭頸部腫瘍. 29. 91-97 (2003)
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[Publications] 永田 靖, 安里 亮, 他: "頭頸部腫瘍に対する強度変調放射線治療の初期経験(特に治療計画と照射制度管理について)"頭頸部腫瘍. 29. 151-158 (2003)
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[Publications] Takashi Mizowaki, Ryo Asato et al.: "Concurrent Chemotherapy and Radiotherapy With Low-Dose Cisplatin for Nasopharyngeal Carcinoma"Am J Clin Oncl(CCT). 26. 155-158 (2003)