2002 Fiscal Year Annual Research Report
オステオプロテゲリン欠損マウスを用いた骨吸収・骨形成を調節する共役因子の探索
Project/Area Number |
14657475
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保田 尚孝 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90323641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 カツ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50126091)
|
Keywords | 破骨細胞 / 破骨細胞分化因子 / 破骨細胞形成抑制因子 / KOマウス / マイクロアレイ |
Research Abstract |
我々は今年度,オステオプロテゲリンホモ欠損マウスとオステオプロテゲリンヘテロ欠損マウスの海綿骨RNAを用いて作製したサブトラクションcDNAマイクロアレイをスクリーニングすることにより,約70個の遺伝子が両マウス間で発現変動していることを見いだした.破骨細胞の分化や骨芽細胞の活性化などの過程において,それらの遺伝子発現がどのように変化するかをRT-PCRで解析した.その結果,興味深い変動を示すいくつかの候補遺伝子を同定することができた.それらの中で破骨細胞の分化に伴って発現が上昇する遺伝子群に対してRNAiを用いた実験を行ったところ,発現を抑えることにより破骨細胞の分化を抑制する遺伝子を2個同定した.これはこの2つの遺伝子が破骨細胞の分化に重要な役割を果たしていることを示唆する.現在,これらの遺伝子の過剰発現が破骨細胞の分化に与える影響を調べる実験を開始している.また,我々は破骨細胞形成抑制因子であるオステオプロテゲリンが特異的に結合する破骨細胞分化因子RANKL/ODFの可溶型を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した.このマウスはオステオプロテゲリンホモ欠損マウスと同様に破骨細胞の増加により重篤な骨粗鬆症を呈した.これらのマウスではRANKLとOPGのバランスがRANKL側に傾くという共通のメカニズムで破骨細胞が増加する.驚くべきことに,オステオプロテゲリンホモ欠損マウスにおいて認められる骨芽細胞と破骨細胞のカップリング現象は,可溶型RANKLトランスジェニックマウスではほとんど見られなかった.その理由は不明であるが,これら2種類のマウスの表現型を詳しく比較することは,カップリング現象のメカニズムの解明やそれにかかわるカップリングファクターの同定につながると考えられる.
|
Research Products
(1 results)