2002 Fiscal Year Annual Research Report
発現ピークが異なる新規の頭蓋顔面遺伝子の胚発生における機能解析
Project/Area Number |
14657477
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鹿野 俊一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60114758)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 元 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90291343)
柴田 俊一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80187400)
山下 靖雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70014157)
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313228)
|
Keywords | 長期器官培養 / 哺乳類全胚培養 / 下顎器官培養 / 鰓弓 / メッケル軟骨 / 新規同定遺伝子 / アデノウイルス / 神経堤細胞 |
Research Abstract |
「頭顎顔面の初期発生に発現する新規同定遺伝子の役割の解明』 顎顔面は、他の器官と同様にダイナミックな上皮と間葉の相互作用のもとに形成される。古典的な両生類の移植実験おいて、歯牙・骨・軟骨の形態形成には口腔外胚葉と頭部神経堤細胞と前腸内胚葉の三つの組織の存在と相互作用が必要であることが示されている。したがって、顎顔原基の形態形成における新規同定遺伝子の役割を解明するためには、それらの3つの組織における新規遺伝子の局在領域とその発生段階を明かにし、さらに、その下流で働く既知の分子を同定することが重要である。 そこで、現在以下の戦略で研究を行っている。すなわち、(1)in situ ハイブリダイゼーションを用い、胚発生におけるこれらの新規遺伝子の局在とその発生段階を明らかにし、これまでの研究で明らかにしている口腔外胚葉と前腸内胚葉由来の上皮と神経堤細胞および一次中胚葉などの由来の異なる4つの組織の分布領域と比較し、これらの分子がどの組織で発現し、どの組織によって制御されている可能性があるかを検討する。(2)次に、上述した哺乳類全胚培養法や器官培養法などの方法を応用する。すなわち、培養下でアンチセンスオリゴまたはセンス鎖を発現するアデノウイルスを適用し、新規の遺伝子を抑制または過剰発現させ、(3)組織学的に培養胚や培養器官を解析し、新規遺伝子が制御する発生現象を明らかにする。(4)さらに、培養後の胚や器官からRNAを抽出し、マイクロアレイやリアルタイムPCRを用い、それら新規の遺伝子が制御する下流の遺伝子を明らかにする。(5)最後に、2)の操作によって抑制された発生現象が、4)で明かにした下流の分子でレスキューされるかどうかを確かめる。 新規同定遺伝子A(Krox-26)が、E7.75-E10までの胚の間葉で強く発現していることを確認しており、哺乳類下顎培養法を適用し、上述の軟骨の組織分化を遅延させる結果を得ている。 現在、下流の遺伝子の解析を行っている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 鹿野 俊一, 山下 靖雄, 佐藤 達夫: "国際解剖学名の形容詞とその日本語訳の対応関係について"解剖学雑誌. 77(2). 37-41 (2002)
-
[Publications] N.Hashizume, K.Shinada, Y.Kawaguchi, Y.Yamashita: "Sequence of ultrastructural changes of enamel crystals and strepto-coccus mutans biofilm in early enamel caries in vitro"Journal of Medical and Dental Sciences. 49. 67-75 (2002)
-
[Publications] S.Yoneda, S.Shibata, Y.Yamashita, M.Yanagishita: "Biosynthesis of versican by rat dental pulp cells in culture"Archives of Oral Biology. 47. 435-442 (2002)
-
[Publications] S.Yoneda, S.Shibata, Y.Yamashita, M.Yanagishita: "Effect of high doses of strontium on endochondral bone formation and tooth formation of fetal mice"Dentistry in Japan. 38. 3-8 (2002)
-
[Publications] S.Shibata, S.Yoneda, M.Yanagishita, Y.Yamashita: "Developmental changes and regional differences in histochemical localization of hyaluronan and versican in postnatal molar dental pulp"International Endodontic Journal. 35. 159-165 (2002)
-
[Publications] S.Shibata他4名: "In situ hybridization and immunohistochemistry of bone sialoprotein and secreted phosphoprotein 1(osteopontin) in the developing mouse mandibular condylar cartilage compared with limb bud cartilage"Journal of Anatomy. 200. 309-320 (2002)