2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図を用いた嚥下障害に対するリハビリテーションの効果メカニズムの解明
Project/Area Number |
14657486
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 啓二 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10116626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 明 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70243582)
末井 良和 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10206378)
長崎 信一(山田 信一) 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10263724)
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
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Keywords | 脳磁図 / ダイポール推定 / 表面筋電図 |
Research Abstract |
嚥下におけるヒト大脳賦活領域を明らかにするために研究を行った。右利きの成人7人ついて文字提示による命令嚥下を約40回行い,各嚥下において全頭型204chの脳磁計を用いて,脳磁波形と頤下,左側上頸部,左側筋電図を同時収集した。前年度で開発したソフトを改良して,各嚥下の頤下筋電図の中から類似した嚥下パターンを示す嚥下を選択し,その頤下筋電図の立ち上がり時をトリガーとして脳磁波形を加算して,各204chの加算平均脳磁波形を作成した。このデータより,嚥下開始前-1000msから0msにおけるダイポール推定を行った。結果は潜時-1000msから-700msの間に後頭葉にダイポールを3人認めた。潜時-600msから-200msの間に片側の側頭回付近に4人認めた。潜時-300msから-100msの間に左側中心溝下部付近(下方顔面相当部)に6人認めた。1人のみ両側に認めた。したがって命令嚥下における皮質延髄路の開始は左側運動感覚野に局在する可能性が示唆された。 しかしながら,被検者間で同じダイポール推定を行っても潜時が大きく違っていた。この原因は文字提示による刺激が,各嚥下によって提示開始時間の差が70ms程度あるためだと考えられるので,光刺激による装置を作成した。これにより,刺激から頤下筋電図の立ち上がり時までの時間が測定可能となり,各嚥下でほぼ同じ反応時間を示す嚥下を選択可能となった。
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